赤髪の白雪姫【７】 (ページ3)

今日:10 hit、昨日:15 hit、合計:183,160 hit

　　　～助手のルーエン(７)～ページ3

「そうか、なら今からはルーエンと呼ぶように」

「…ル、ルーエン…さん…？」

下ろしていた髪を、クレアから受け取った髪紐で結ぶとおろおろしながら、確かめるように呼んだ。

「よろしい。クレアは俺の妹として傍にいなさい」

『…はい、兄様』

先程の部屋から出た一行は、階段を降りながら移動を続けていた。

「ル、ルーエンさんは。リリアスの関所に来られていたんですか？」

「まぁ、そんなところだ」

白雪はイザナの背をじっと見つめているのをクレアは、白雪とイザナを交互に見ているとイザナが白雪の視線に気づく。

「何か用か？宮廷薬剤師、助手のルーエンに」

「！…………」

「白雪さん？」

『白雪？』

少し後ろを歩いていたリュウも不思議そうに、白雪の名を呼んだ。

「ーーいえ、クラリネスのイザナ王子にいずれ」

「…へぇ」

白雪は歩を止めて少し言うのを躊躇ってかのようにも見えた。

「…リュウ」

「？」

「私もです。もっとちゃんとしないと」

きっと自分達が来る前には二人の中で、何か考えさせられるような出来事があったのだろうと、クレアは思った。

『兄上、楽しそうですね』

「そう見えるか？」

『はい、とても意地悪な顔をされてます』

小さくそう言えば、イザナはあいつと同じで苛めがいがあるなと笑った。

「うわっ、びっくりした。雪玉？」

「あ」

『どうかした、白雪？あ…出て来いだって。知り合い？』

後方で急に声をあげた白雪、どうやら窓の外にいる少年が出てこいと書かれたスケッチブックを掲げていた。どうやら雪玉は彼らが投げ付けたようだ。

「…顔見知り、ですかね？」

「……」

『とりあえず、出ていく？呼んでるようだしねー』

雪が降り続く中、建物の外へと出ると少年は大きな鞄を背にこちらへと歩み寄ってきた。

「おまえに、見てほしいものがあるん…！！！おい、大丈夫かっ！？」

「ころんだ」

彼の隣にいた小さな少年が雪に足をとられ転んだだけなのに、異常に心配しているのが少し気になった。

「びっくりさせんなよも～～～～立てるか？」

「怪我ない？」

『大丈夫ー？』

クレアは、小さな少年に手を貸してやろうとすると、大きな少年は平気だって！と声をあげる。

「怪我はいいんだよ、転ぶくらい。男なんだからさ」

「それは失礼しました…」

少し離れた場所でそのやり取りをイザナはじっと見ていた。

『ねぇ、君、そろそろ立たないと風邪引くよ？』

「…？」

.