〜病の原因は?(2)〜 ページ19
『リュウ、さっき言われたものここに、置いておくよ?』
「う…ん…、ありがとう…ク、クレアさん」
『どういたしましてー、あ、なんだリュウ言ってくれれば取るのに』
えらく歯切れの悪い返事に、クレアはリュウへと振り返ると本棚へと左手を高く伸ばした状態でぷるぷると、足を震えさせていた。
リュウの横まで歩いていけば、クレアがゆっくりと手を伸ばす。
『どの本?』
「え、あ、うん。その、もう一段上の…」
『あ、もう一段上か…あー届かないー。よし、リュウここはあたしが抱っこするからさ』
クレアも届かない場所の位置にある本だと思わなかったのか、先程のリュウと同じように腕を伸ばしたまま、もう少しもう少しと呟いてると、自分の目の前だけが暗くなる。
「これかい、クレア嬢?」
『…あ、うん。それだよね、リュウ。』
「…オビさん、なんで?」
クレアの背中を抱き締めるような形で、オビも片手をあげると難なく、目的の物をクレアの伸ばされた手に渡されたのを、リュウへと渡すとオビに驚いたリュウは呆然としていた。
「はははは」
「あ、白雪さん」
『白雪寝てたんじゃなかったの?あ、起こしたんでしょ、オビー』
頬をおさえる白雪を見たクレアは、すぐにオビが起こしたことを悟り、こらっと、後ろにいたオビの鳩尾を肘でつついた。
「痛たたた。クレア嬢いつから気づいてたんだい?俺、気配消してたのに」
『…気づいてなかったに決まってるでしょ、こっちは目の前の本を必死に取ろうとしてたんだから』
「え、クレアさん。気づいてなかったんですか?」
白雪もクレアの事だから、気づいているのかと思っていたようで驚いている。
『今、一番ぴりぴりしている時にあたしが、叫んだりして大騒ぎになったらそれこそ、イザナ様に怒られるって』
「我慢、したんだ」
『どうだろ、こういう時だからこそ余計に出なかったのかも』
あんまり意識してなかったんだよね、実は。と笑うクレアにリュウは、それでもすごいなと思った。
「驚きすぎて、出なかっただけだったりして」
『オビに会えたのが嬉しくって、出なかったのかもね』
茶化してくるオビに、ふふっと笑いながらオビと向き合うように立てば、指先でオビの胸元に上から下へとすっと動かす。
「こんなところで、そんな事しちゃ駄目でしょうよー」
『ごめんなさーい。』
と離れたかと思うと、さっと背伸びをして耳元で、また会えて嬉しい。とデレておいた。
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クレア(プロフ) - 奏萌さん» 約2ヶ月掛かってやっとこのブックが埋まったわー。 (2015年10月23日 23時) (レス) id: dd228be703 (このIDを非表示/違反報告)
奏萌(プロフ) - 萌も更新しなきゃ(笑) 明日はのぶくん生誕祭 (2015年10月23日 22時) (レス) id: 909270ad00 (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - 奏萌さん» んー、まぁまだまだ痛いけどがんばる笑 ありがとーお待たせ! (2015年10月23日 0時) (レス) id: dd228be703 (このIDを非表示/違反報告)
奏萌(プロフ) - 大丈夫?!久々の更新だね!待ってたよ (2015年10月23日 0時) (レス) id: 909270ad00 (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - 水琴鈴さん» たぶん、また更新するから笑っ (2015年10月22日 22時) (レス) id: dd228be703 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クレア | 作成日時:2015年8月26日 19時