〜リリアス封鎖(7)〜 ページ11
ユズリにこの髪について、話せば本を机に積み終えた鈴もクレアの話を聞き、納得した上であまり大事に他人に話さないでほしいと言う事に、二人は二つ返事で約束してくれた。
こんな場所で大事にされてしまうと、学者達に研究させてくれなどと、頼まれたりしたらと考えるとクレアは身震いをした。
『で、あったんでしょ?リュウ』
「うん、ほらここ」
「ーー…これはちょっとまずいかもねーー…」
一通り目を通すと、鈴がそう言えば白雪もリュウもことの重大さに、じっとしていられず関所へ向かった。
「だから、無理だ!!学問街は夜間出入り禁止だと知ってるだろ!!しかも関所に…リリアスの封鎖を掛け合うなんて…それこそ無理に決まってる!ウィラントへ通じる出入口だぞ?」
「毎日どれだけの人と物資が通過してると思ってる!」
雪がちらほら降り続ける中、白雪達と共に関所にリリアスを封鎖が出来ないか、直接頼んでいるがやはりそう簡単には上手くいかないみたいだ。
クレアは、言っても分からないならと、見張りの目を盗んで関所の中に続く階段を掛け上がった。
「だからーー大事になってからじゃ遅いから、こんな夜が明ける前に雪の中、頼んでるんでしょーが」
「ーーともかく!だめなものはだめだ。どうしてもと言うなら朝、出直せ」
「……」
「融通を利かせろってば」
丁寧とは言わないが鈴なりにきちんと、お願いをしていたのに駄目の一点張りにそろそろ怒りが込み上げてきた頃、今まで黙っていた白雪は身分証を翳す。
「わかりました、通してもらえないなら…イザナ王子をここに呼んで下さい!」
「イザナ殿下を!?」
「?」
何を言い出すのかと、関所の門番も鈴も白雪を見た。
「その必要はない」
「あっ!」
「おや、助手の方、あれっ、君さっきまで一緒に居たのにいつの間に」
階段から降りてきたイザナとクレアを見ると、何でこんな場所にと驚くユズリと鈴。
「何かわかったのか」
ぱっと、イザナを見た白雪は同時にクレアに視線を動かすと小さく頷いた。
「これを」
「随分と古い本だな…」
直ぐ様、先程見つけた本をイザナへと渡す。
「あの子の病気とよく似た症状の記述がありました、東の小国のものです。そこでは大人子供関係無く痣が現れ、伝染病ではないにも関わらず、百二十人以上が発病しています」
「治療法は」
「…その本からはわかりません。」
それについてはというように、白雪は首を横に振る。
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クレア(プロフ) - 奏萌さん» 約2ヶ月掛かってやっとこのブックが埋まったわー。 (2015年10月23日 23時) (レス) id: dd228be703 (このIDを非表示/違反報告)
奏萌(プロフ) - 萌も更新しなきゃ(笑) 明日はのぶくん生誕祭 (2015年10月23日 22時) (レス) id: 909270ad00 (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - 奏萌さん» んー、まぁまだまだ痛いけどがんばる笑 ありがとーお待たせ! (2015年10月23日 0時) (レス) id: dd228be703 (このIDを非表示/違反報告)
奏萌(プロフ) - 大丈夫?!久々の更新だね!待ってたよ (2015年10月23日 0時) (レス) id: 909270ad00 (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - 水琴鈴さん» たぶん、また更新するから笑っ (2015年10月22日 22時) (レス) id: dd228be703 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クレア | 作成日時:2015年8月26日 19時