〜王城解放日(１２)〜 ページ41
「……」
『って言っても、家族としてだから』
耳を疑ったと言うのは嘘でもない、好きだよ。たったそれだけの言葉でこんなにも胸が締め付けられるとは思っていなかったが、すぐに訂正された言葉に、ほっとした自分がいた。
『ふふ、心配した？』
「主を大事にしてるのは知ってたから、驚かないけどね」
でも…と、言葉を濁してから一瞬、腕を引かれ唇を奪われる。あまりの事に布が手から離れそうになるが、そこは流石と言うべきかオビが、手で押さえてくれていた。
「…でも、いくらへらへらしてる俺でも嫉妬はするから」
『…以後、言葉には気を付け…ます』
「はは、顔真っ赤ー」
頭を軽く叩かれ、悪戯気に笑うオビはそのまま、体を離された。
『あんな顔で言われたら、赤くもなるってば』
急に引き寄せられた腕に、気がつけば合わさっていた唇。
目を閉じることさえ忘れて閉じられた彼の猫目を愛しげに見つめてから目を閉じた。
その後に耳元で囁かれた言葉が、耳について離れない。言われて気づいたが、嫉妬していたようだ。言い訳しようにもそうはさせない、とでも言いたげな視線でいつの間にか謝罪の言葉を述べていた。
頬が赤くなっていることを指摘され、さらに羞恥心を煽ってくる彼に、少し恨んだがこんな日が合ってもいいかと、諦めて隣を歩いた。
『あっ、ミツヒデと木々だー』
「クレアーー、お前、何してるんだよ。劇に出てたろ」
「しかも、側近にして王子に恋心抱いて、姫の騎士と闘うって、そんな話だっけあの劇」
いきなり確信をついてくる辺り、やはり最後まで観てたかとクレアは小さく舌を出した。
『これでも、色々頑張ったんだってばー』
「今回は許してやってくださいよ、旦那ー。主もクレア嬢も慣れない舞台で歓声浴びてたんですし」
『ほらー、ねー』
オビが擁護した為か、そこまで怒られることなく済んだクレア。
今度は白雪とゼンが現れると、ミツヒデは一応ゼンを叱りにいく。
「ゼーーンーー」
「見てたんだって劇」
オビが丁寧に白雪に説明してる、横でミツヒデがゼンに詰め寄っている。
「何故、私の名を？」
「ごまかすな！」
騎士の仮面を着けて、知らぬ存ぜぬ振りをしたゼンにミツヒデは一喝した。
『あれ、気に入ってるんだ？』
「ミツヒデさん、それどころじゃないって感じですけどね」
今年の王城解放日は、去年とは違い有意義なものになったに違いない。
.
第２８話〜心の底の気持ち(１)〜→← 〜王城解放日(１１)〜
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クレア(プロフ) - ちよりっこさん» トロウなぁー、まぢで妬かせるかー、んー、もはや夢主なら一緒に手伝っちゃいそうなんだけどな笑 (2015年7月22日 1時) (
レス) id: dd228be703 (このIDを非表示/違反報告)
ちよりっこ - クレアさん» 早いね？！トロウちゃん楽しみ！ (2015年7月22日 1時) (携帯から) (レス) id: 3b0d60b9f1 (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - ちよりっこさん» ありがとうー！【６】に移行したよー！ (2015年7月22日 1時) (レス) id: dd228be703 (このIDを非表示/違反報告)
ちよりっこ - クレアさん» オビがアニメでやったからかな？コメント増えてるー！おめでとー！ (2015年7月22日 1時) (携帯から) (レス) id: 3b0d60b9f1 (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - あずきさん» 喜んで頂けてこちらも嬉しいです！読んでいただいてありがとうございます！ (2015年7月21日 23時) (レス) id: dd228be703 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クレア | 作成日時：2015年5月17日 0時
