〜父、武風(6)〜 ページ20
「少し目立つ風貌だったせいで、貴族にいいようにされてきたから、もしクレアにその不思議な髪を持つクレアはきっと…」
『…きっと、自分と同じく貴族にいいように扱われてきたと心配してくれたんだー』
鹿月の言おうとした事をクレアは、分かっていたかのように言えば鹿月は勢いよく頭を下げた。
「でも、オヤジは俺の事、拾ってくれた恩人だから尚更なんとかしたくて。俺のせいで最悪な事に巻き込んじゃってごめん!!」
白雪とクレアに向かって深々と下げられた頭を白雪とクレアは、じっと見ていた。
「けど、ここの皆いい人ばっかなんだ。…だから白雪とクレア。ここで一緒に暮らすわけにはいかないかな」
「ごめんなさい」
「早っ」
鹿月の思わぬ言葉に固まってしまったゼンは、心配する間もなく決着に終わった。
「でも、ありがとう。私は…クラリネスにいたいんだ」
真っ直ぐとした目で、言葉で白雪は鹿月に申し出を断った。すると、鹿月は諦めの眼でクレアを見る。
『あはー、鹿月ーそんな目しても駄目だって。あたしはここには居られない、分かってるでしょーよ』
「わかってる、わかってるけどさー」
『あたしの居場所は、あそこなんだ。ゼンと白雪、ミツヒデに木々。それからオビがいるあの場所が、あたしの家で、あたしの帰るべき場所。気持ちはすごい嬉しいけど、鹿月に何かあったら、すぐに駆け付けるからさ』
鹿月に優しくそれでいて、言い聞かせるように話したクレアに武風は慰めているのか、茶化しているのかわからないが、鹿月の背中を思いきり叩く。
「かーづき」
「…そう言うと思ってたけどさ。いてぇオヤジ」
『分かってるけど、引き留めたかった?あたしに惚れちゃったんだー鹿月ってばー』
にやにやと笑いながら、鹿月に近寄るクレアに武風もそれは面白いと、鹿月を茶化すのを振り払って、ゼンに話し掛ける。
「俺は貴族、大嫌いだけど…滅びてほしいけど、あんた達の事は違った。いろいろ決めつけて、ごめん」
「お前に好かれる事をした覚えはないけどな。俺は気にしてない」
そんな鹿月にゼンは、鼻で笑うとむっとした様子の鹿月。
「別に好いてるとは言ってない…白雪の味方ならってだけだよ」
「なんだ、それは残念」
『あたしも、好きなんでしょー鹿月?』
鹿月の背後を取ったクレアは勢いよく抱きついた。
「わっ、ちょ、クレアっ!」
『照れるな、びしょーねーん!』
「かーづーき、だってば!」
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クレア(プロフ) - ちよりっこさん» トロウなぁー、まぢで妬かせるかー、んー、もはや夢主なら一緒に手伝っちゃいそうなんだけどな笑 (2015年7月22日 1時) (レス) id: dd228be703 (このIDを非表示/違反報告)
ちよりっこ - クレアさん» 早いね?!トロウちゃん楽しみ! (2015年7月22日 1時) (携帯から) (レス) id: 3b0d60b9f1 (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - ちよりっこさん» ありがとうー!【6】に移行したよー! (2015年7月22日 1時) (レス) id: dd228be703 (このIDを非表示/違反報告)
ちよりっこ - クレアさん» オビがアニメでやったからかな?コメント増えてるー!おめでとー! (2015年7月22日 1時) (携帯から) (レス) id: 3b0d60b9f1 (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - あずきさん» 喜んで頂けてこちらも嬉しいです!読んでいただいてありがとうございます! (2015年7月21日 23時) (レス) id: dd228be703 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クレア | 作成日時:2015年5月17日 0時