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   〜朝の日課、大晩餐会(2)〜 ページ37

きちんと締め切らないまま眠ってしまっていたのか、隙間から溢れる陽射しに、瞼を閉じていたのにも関わらず眩しさを感じ、逃げるように身を捩れば鼻先が人肌を掠め、その温かさに吸い寄せられる様に頬を寄せ擦り寄る。




『…ん……』

「んな気持ち良さそうに寝られてると、起こすの申し訳ないとこなんだけど、誰かこっちに来てんだよねぇ」

『……ミツヒデ、でしょ。別にいーよ、一緒に居る所見られたって関係を知らない訳じゃ…ないし』




頬を擦り寄せていた動きがぴたりと止め、息を潜めて足音に集中する様子から、構わないとばかりに起きようとしないどころか、瞼さえも閉じたままである。



「普段なら、ね。でもこれはちと、旦那には刺激が強いじゃあないかい?」



俺は男だから良いとして、との後に絶景ではあるんだけどね?と付け加えるものだから、一体どういう意味だとばかりに渋々、目を擦りつつ起きようものなら軽く手首を引かれ



『…ちょっ、オビッ…』

「それとも、最中でも見せつけちまうかい?」




また寝台に逆戻りどころか、唇に甘い口付けを落とされては、視界一杯に彼の悪戯げな表情。完全に油断していたせいで、蕩けたような表情で彼を見ていればそれが答えと取られたのか、首筋を指先でなぞるように触れられる。




『待っ…』

「待たない…なんて意地の悪い事言って、続けたいとこなんだけど、はい、起きてークレア嬢」




びくり、と反応してしまう身体と漏れ出てしまいそうになる声に自分ので口元を抑えるも、すぐに優しく抱き起こされる。




『…もう、驚かさないでオビ』

「良さげな顔しておいて、それはあんまりじゃないかい?」

『…うっさい、変態』

「男は皆、変態だからねぇ」





思わず、手にした枕を投げようものならどうせ軽々、避けられるのも目に見えているので、諦めて寝台の下に落ちている自分の服を手に取り直したところで、足音の主が部屋の扉を叩く音が響いた。





「あー、やっぱ勘違いじゃなかったか。でも、今日は朝休みだって主が言ってたのに」

『急用が出来たとか、あたし達が部屋に戻った後に変更になったってのもある』





こそこそと会話を続けるも、部屋には扉を何度も叩く音と、オビを呼ぶ声が聞こえている。




「とにかく此処は俺に任せといてよ」

『ん、わかった』




殆ど着替え終わっている彼女の姿にひらりと手を振ってから、少し眠たげな声で扉の外で待つミツヒデへと返事を返すことから始めた。





.

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設定タグ:赤髪の白雪姫 , オビ , 従者   
作品ジャンル:ファンタジー
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ありす(プロフ) - 何度も読み返してるのが私だけじゃなくてよかったです!久しぶりに読み返しにきました!ずっと更新続いてるのが嬉しいです!!ありがとうございます:)♡ (2022年8月31日 14時) (レス) @page45 id: 331930e50a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 最近この小説を知り、一気読みしてしまいました…!素敵な物語をありがとうございます🙇‍♀️お忙しいと思いますが、いつかふと思い出して更新して頂けたりすると嬉し泣きます😌 (2022年8月6日 18時) (レス) id: f76d03d4ec (このIDを非表示/違反報告)
りんごにゃん - 何度も読まさせてもらってます!!更新嬉しいです!!ずっと楽しみにしてましたー!!新刊も出て更新大変だと思いますが、頑張って下さい!続きの更新たっても楽しみにしてます!主人公とオビの絡みが特に好きです!また4人との絡みもとても自然で読むのが楽しいです! (2021年6月8日 23時) (レス) id: b4b1143c3c (このIDを非表示/違反報告)
ぺこぱ(プロフ) - この作品に出会えて良かったです!!お忙しいとは思いますが更新お待ちしています。がんばってください!! (2020年9月15日 14時) (レス) id: 7095aaaef1 (このIDを非表示/違反報告)
はまゆ。(プロフ) - 何周目かわからないですが見返しました!いつ読んでもとても素敵なお話です。応援してます。 (2020年5月25日 3時) (レス) id: a7b82f401c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クレア | 作成日時:2016年2月8日 1時

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