〜乾杯(13)〜 ページ2
「鈴がさ、シダンの研究手伝うんだって。あの灯りの花の」
「「!」」
『それ、ほんと?』
ばっと、キリトへと顔を向けたクレアにユズリが動かないで、クレアちゃん!と顔を元の位置へと戻されたクレアにオビはくすりと笑う。
「リリアスでぼけーっとしてた鈴がね。……はい、できた!クレアちゃんこっち見て?」
「失礼だね、きみは」
『ん、はい。どう?』
後ろへと振り返ると、ユズリが付けてくれたであろう耳飾りが可愛らしく音を奏でた。
「かわいいー!白雪ちゃんと同じ耳飾りでも良かったんだけどクレアちゃんに似合うと思ったから!邪魔じゃない?」
『んーん、平気。それにこの音、綺麗だね。気に入ったよありがと、ユズリ』
「どういたしましてー!」
またユズリが騒ぎ始めたので、鈴が聞いてるかいと声をかける事で、鈴は話を進める事が出来た。
「まあ、もともと知識深めるのが趣味でリリアスに通ってたけど、俺も常駐になるってところだね。て訳で、王城組もたまには様子見に来てよ」
「はい!」
「うん」
まだまだ始まったばかりではあるが、゙オリンマリズの花が光輝き、暗い道を明るく照らす事が出来る日も近い事に胸が高鳴った。
「リリアスもまた頼もしくなるわね」
「!!」
奥の部屋からゆらりと、現れたガラクに白雪が驚いたように振り向いた。
「薬室長…!」
「…おや、いい香り」
『ガラクさん、眠気覚ましにどーぞ』
少なくともまだ、目の座っているガラクに耐性のあるクレアがさっと立ち上がれば、ガラクの目の前にそれを差し出した。
「何のお茶?」
「えっと…」
「特製リリウィス茶です」
いつ名付けたのだろうかユズリがすかさず答えるやいなや、クレアの手からそれを受け取れば一口飲むと驚いたようにそのお茶を眺めた。
「……ふむ」
全員の視線がガラクに注がれる中、周りを見渡してまだ片付けきれていなかった材料や資料などを見て、少し口の端を上げてから勢いよく、お茶を喉の奥へと流し込んだ。
「ぷはっ。おいしい!いやー今日はお陰で助かったわ」
「!」
全部、飲み終えたかと思うと物凄い笑顔で労いの言葉を掛けるガラクに、皆互いに顔を見合わせ喜びあった。
「おっさん、すげー」
『ふふ、さすが昔なじみってだけあるね』
それだけの関係ってだけで、ここまで性格を把握出来る筈無いけどねーと、シダンが書いたガラクへのメモを笑ってみていた。
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ありす(プロフ) - 何度も読み返してるのが私だけじゃなくてよかったです!久しぶりに読み返しにきました!ずっと更新続いてるのが嬉しいです!!ありがとうございます:)♡ (2022年8月31日 14時) (レス) @page45 id: 331930e50a (このIDを非表示/違反報告)
☆(プロフ) - 最近この小説を知り、一気読みしてしまいました…!素敵な物語をありがとうございます🙇♀️お忙しいと思いますが、いつかふと思い出して更新して頂けたりすると嬉し泣きます😌 (2022年8月6日 18時) (レス) id: f76d03d4ec (このIDを非表示/違反報告)
りんごにゃん - 何度も読まさせてもらってます!!更新嬉しいです!!ずっと楽しみにしてましたー!!新刊も出て更新大変だと思いますが、頑張って下さい!続きの更新たっても楽しみにしてます!主人公とオビの絡みが特に好きです!また4人との絡みもとても自然で読むのが楽しいです! (2021年6月8日 23時) (レス) id: b4b1143c3c (このIDを非表示/違反報告)
ぺこぱ(プロフ) - この作品に出会えて良かったです!!お忙しいとは思いますが更新お待ちしています。がんばってください!! (2020年9月15日 14時) (レス) id: 7095aaaef1 (このIDを非表示/違反報告)
はまゆ。(プロフ) - 何周目かわからないですが見返しました!いつ読んでもとても素敵なお話です。応援してます。 (2020年5月25日 3時) (レス) id: a7b82f401c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クレア | 作成日時:2016年2月8日 1時