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第5話〜宮廷薬剤師(1)〜 ページ38

「クラリネス王国、ウィスタル城"宮廷薬剤師"。今日からこれがお前の身分証か、白雪」

「うん」



身分証を手に持つゼンに、白雪はうきうきとした表情で頷く。



『おめでとう白雪』

「ありがとうございます!城に入るとこういうのが貰えるんだね」

「ミツヒデ達も持ってるぞ、お前と色違いの」

「いいな、ミツヒデと色が違って」

「どういう意味だ!?」



晴れて宮廷薬剤師になったお披露目にゼン達の元へと訪れていた。




「あ、もしかしてクレアさんが首飾りにしてるのも?」

『そう、ミツヒデに首輪みたいに、ちょっと改造してもらったんだ』

「身分証持ってきた時は何事かと思ったよ」

「持ってた書類落とすほどね」



可愛いでしょ?と、自分とは色の違う身分証を見せた。



「猫みたいだから、やめろって言ったんだがな…」

「でも、なんかクレアさんらしいって言うか…」



その光景が目に浮かんだのか、白雪は思わず笑った。




「今日は記憶に残る日だな、白雪、歓迎する」

『これから一緒に出掛けたり出来るかもね?』



ゼンが書類を溜めなきゃねと、言う木々にゼンは、そうだなと苦笑して。



「また遊びに行きますね」

『待ってる、またお城でね』



城の中へと入っていく白雪に手を振って見送ったクレアは、ゼンにそろそろ、いいんじゃない?と声をかける。



「ん…?あの男か?」

『正直、この前の事はハルカ侯爵が差し向けた事だしねー』

「やけにあいつの肩を持つんだな、まさか脅され『…な訳ないでしょ』」



それもそうだなと、近くで聞いていたミツヒデ達も納得していた。



「気に入ったのクレア?」

『気に入った…んー、そうなのかな、分かんない。でも、ゼンの力になってくれそうだとは思う』



木々にそう聞かれると、あくまで、あたしが勝手にそう思うだけ、だけど。と話すとゼン達は顔を見合わせ頷き合う。




「良いだろ、自由にしてやれ。しかし、まだ信用しきった訳じゃないから、監視しとけよ」

『わかってる。それじゃあ、行ってくるよ』

「クレアにも春かー?」

「どうだろ」

「行くぞー二人とも」

部屋へと向かったクレアの後ろ姿を見守る三人は、お互いを見合ってくすりと、小さく笑った。





.

   〜宮廷薬剤師(2)〜→←   〜城内試験(8)〜



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設定タグ:赤髪の白雪姫 , オビ , 従者   
作品ジャンル:ファンタジー
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紅羽(プロフ) - 侵入者(2)の最後の方のハルカ侯爵の台詞で「第二王子付き側近の」のあとの夢主の名前が変換されていませんでしたよ!とっても面白いです!これからも応援しています!! (2018年8月2日 13時) (レス) id: de0e7143c3 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - 図書館戦争の続きが気になります (2017年8月28日 12時) (レス) id: 4d7851a43c (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - ゆりなさん、コメントありがとうございます!いまは、少し更新をお休みしてますが、これからも応援宜しくお願いします! (2016年4月2日 21時) (レス) id: 4a23c0f44d (このIDを非表示/違反報告)
ゆりな(プロフ) - 何回読んでも飽きずに楽しませてもらいました!!途中にある絵も最高でした!オビかっこいい。。。クレアさんの書く作品大好きです。これからも応援してます! (2016年4月2日 21時) (レス) id: 46ce333a3a (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - かぷさん» 応援ありがとうございます!読みやすいと言っていただけて光栄です!私の小説から原作を好きになって頂けたんですか!感謝感激です!これからもコメント頂けると嬉しいです! (2016年2月12日 1時) (レス) id: 4a23c0f44d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クレア | 作成日時:2014年10月7日 0時

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