第4話〜城内試験(1)〜 ページ30
「宮廷付き薬剤師見習い、志願者審査期間」
『招集は、青評議会の間って』
「そうか、今日城に集まるんだったな」
「そうかって、前々から気にして落ち着かなかったろーゼンは」
『審査期間ってことは、白雪暫く、城にいるって事?、やったじゃん、ゼン』
悪気のないクレアに対して、ミツヒデはどこか少しからかう様子にゼンはじと目で睨んだ。
「…それはともかく木々はどこ行った?」
『忘れられてたりして、ミツヒデのこと』
「え、何だよそれ。しかも俺だけ?」
「いつまで俺達はミツヒデとここに置き去りにされていればいいんだ?ミツヒデと」
「うわっ、ゼンまで!それに二回言った!嫌なのか!?」
もうからかっただけじゃん、耳元で騒がないで。と大袈裟に耳を塞いだクレアに、ゼンは先程の仕返しというかのように、壁に手をつき黄昏た。
「嫌なわけないだろう、心休まるよ」
「……傷つくなー」
「ゼン!」
「白雪!?」
『あ、白雪!』
ゼンとクレアはほぼ同時に、飛び降りて地面へと着地する。
『どうしたのこれから、試験だよね?』
「それ俺が聞こうとしたんだが」
『良いじゃん別に。心狭いなー』
「ちょっと、顔出しに」
白雪の顔はどこかいつもと様子が違うように見えないこともない。
「良かった、うまく会えたんだな」
ミツヒデも二人と同じく飛び降りて来れば、白雪と無事、合流出来たことに喜んだ。
「門で待ち伏せした」
「人さらいが出たようだな…」
白雪を今、元気づける事の出来る人物は、自分よりもゼンの方であるなと考えたクレアは、二人の様子をミツヒデと木々と共に見つめていた。
「落ち着いてるか?」
「うん?……わりと?」
「わりとってお前…」
普段と違って少し挙動不審な白雪にゼンも、多少驚くがそれ以上に、白雪にいきなり左手を握り締められ目を見開くゼン。
『意外と大胆だよね、白雪って』
「しー、クレア」
『分かってるよ、木々。ミツヒデみたいに空気読めない子じゃないし』
「なっ、ほんと最近生意気過ぎないか、クレア」
こそこそ、後ろで話す三人など眼中に無いようで白雪は、ゼンの手から何かを受け取ったかのように、自分の拳を見て頷いた。
「ーうん!」
「………」
その様子を見て三人の表情からも笑みが溢れた。ゼンの頬は少しばかり赤みを帯びていたかの様にも見えたが。
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紅羽(プロフ) - 侵入者(2)の最後の方のハルカ侯爵の台詞で「第二王子付き側近の」のあとの夢主の名前が変換されていませんでしたよ!とっても面白いです!これからも応援しています!! (2018年8月2日 13時) (レス) id: de0e7143c3 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - 図書館戦争の続きが気になります (2017年8月28日 12時) (レス) id: 4d7851a43c (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - ゆりなさん、コメントありがとうございます!いまは、少し更新をお休みしてますが、これからも応援宜しくお願いします! (2016年4月2日 21時) (レス) id: 4a23c0f44d (このIDを非表示/違反報告)
ゆりな(プロフ) - 何回読んでも飽きずに楽しませてもらいました!!途中にある絵も最高でした!オビかっこいい。。。クレアさんの書く作品大好きです。これからも応援してます! (2016年4月2日 21時) (レス) id: 46ce333a3a (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - かぷさん» 応援ありがとうございます!読みやすいと言っていただけて光栄です!私の小説から原作を好きになって頂けたんですか!感謝感激です!これからもコメント頂けると嬉しいです! (2016年2月12日 1時) (レス) id: 4a23c0f44d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クレア | 作成日時:2014年10月7日 0時