〜誘拐された赤髪(９)〜 ページ19
『降ろせ馬鹿』
「っ痛ってー。んな暴れんなよ…何？逃げるのやめたの？赤髪」
「なっ、ク、クレアさん！？」
じたばたと暴れるクレアに、溜め息をつき逃げるなよと、一言告げてからクレアを降ろしてやる。
『白雪…』
白雪が後ろ手で何かを隠すのを見て目を細めるクレアに小さく頷く。
「じゃ、捕まえても文句はねぇな？」
「っと…何だ…煙…！？」
『ナイス、白雪』
壁にランプを打ちつけて割ると、充満してきた煙に白雪はハンカチで口を押さえるが、巳早は驚いた反射で吸っい込んでしまう。クレアはというとその場でじっと、時が来るのを待った。
「…！？何……？」
「…一種の麻痺作用のある草を燃やしたから体の感覚が鈍ると思う…」
「じゃあ、何でこいつは…効かない…吸ったはずたろ」
立っていられず、地面に膝を着く巳早を二人は見下ろす。
『あたしは、こういうのには少し慣らされててね』
「ゆっくり休んでください！行きましょうクレアさん！」
クレアと共に上の階へと目指せば、窓の格子を見る。
「窓に…格子がない…！」
『降りるよ、白雪』
「クレアさん、その手で大丈夫ですか？」
『平気、伊達に木を移動手段に使ってない、ほら』
先に木に飛び移り、下へと降りれば白雪を呼ぶ。
「そっか一階の格子は獣避け、だ……っ！」
『二人でなら抜けれる、白雪…マッチは？』
「はい、これだけしか…」
『充分！行こう』
飛び降りた白雪の鞄にあるマッチを見て、行けると判断したクレアは走り出そうと、振り返れば
「火ならある」
『ちｯ…もう追い付いてきたか…』
松明を片手に現れた巳早に、いつの間に追い付いたのかと、舌打ちをする。
「どのみちこの山で、俺の足には勝てねぇよ、ましてやお前は手を縛られてる状態ではな。さっきの薬も…大して効かねぇもんだったみたいだしな」
「階段も…すぐ昇れたの？」
「いや？必要ねーよ。俺は一階の扉の鍵…持ってるからね」
「…！」
鍵を見せられ、悔しそうにする白雪にクレアは
『ごちゃごちゃ、っと』
「うぉっと」
『逃げて白…ゆ…き…痛ｯ…』
もう一度、回し蹴りを繰り出せば軽々と避けられ、足払いを掛けられ地面に手をつく事も出来ず顔から倒れてしまう。
しかし、白雪はその一瞬で駆け出すことが出来たが、すぐに巳早に捕まってしまった。
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紅羽(プロフ) - 侵入者(2)の最後の方のハルカ侯爵の台詞で「第二王子付き側近の」のあとの夢主の名前が変換されていませんでしたよ！とっても面白いです！これからも応援しています！！ (2018年8月2日 13時) (
レス) id: de0e7143c3 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - 図書館戦争の続きが気になります (2017年8月28日 12時) (レス) id: 4d7851a43c (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - ゆりなさん、コメントありがとうございます！いまは、少し更新をお休みしてますが、これからも応援宜しくお願いします！ (2016年4月2日 21時) (レス) id: 4a23c0f44d (このIDを非表示/違反報告)
ゆりな(プロフ) - 何回読んでも飽きずに楽しませてもらいました！！途中にある絵も最高でした！オビかっこいい。。。クレアさんの書く作品大好きです。これからも応援してます！ (2016年4月2日 21時) (レス) id: 46ce333a3a (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - かぷさん» 応援ありがとうございます！読みやすいと言っていただけて光栄です！私の小説から原作を好きになって頂けたんですか！感謝感激です！これからもコメント頂けると嬉しいです！ (2016年2月12日 1時) (レス) id: 4a23c0f44d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クレア | 作成日時：2014年10月7日 0時
