涼風譚 拾壱

寸止め ページ14

「A...んっ?!」

『...ダメですよ、浩二さん？』

キスをしようとすると指で口を抑えられた。

「...んむ」

『ひゃっ...やめ...』

「Aがキスさせてくれたらやめる」

『それは...』

「じゃあやめない」

口元に触れていた指を咥えながら話す。

『やぁ...やめて...』

「じゃあ、させてくれる？」

『...良いです、よ...？』

上気した顔で話してくるA。

「んっ...」

『ん...』

「ん...なんで、寸止めしたの。僕嫌い？」

『絶対ないです！...いっつも、浩二さんに流されて、負けちゃうから、寸止めしてやろうと...』

「要は好奇心と僕に勝ちたかったんだね？」

『う、はい...』

「...次から絶対しないでよ。もししたら...」

『したら...？』

「すぐに寝室に連れ込むからね」

『絶対しません...！』

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