〈速報〉禪院家次期当主が人妻の部屋を物色【呪術廻戦】 (ページ1)

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「それじゃあ私はこのことを扇さんに伝えてきますので、どうぞごゆるりとお楽しみください」

すぱ―んといい音を立ててふすまが閉まる。

くるりと踵を返せば背後で今度はふすまが開く音がした。

「ちょお、待てや！」

「え、ちょ、ここ縁側……」

悲痛な叫びも虚しく肩を掴まれた拍子に足を滑らせる

知ってる？今日雨なんだ。超滑るんだ。しかもね、下にあの草履とか置く石。名前知らないけど。

……死んだかも。

「……きろ……起きろ！！」

「はい、おはようございます直哉様。いい朝ですね」

「もうおやつ時やで、ってちゃうねん！！怪我は」

「んー大丈夫です。って、血が」

「こんのドアホ！！早う治さんかい！！！」

と、言われましても。起き上がってみたらたらたらと顔を血が伝って来た。

うわあ、いたーい。

「ごめんなさい、ごめんなさい。治すので睨まないで」

額に手をかざし、反転術式で治す。

私が呪術師としてスタートラインに立てたのも、このおかげだ。

じわじわと、痛みが引いていく。

それに比例して、直哉様の表情も柔らかくなる。

「あのー、もういいですか」

なんて言ってみたらまたいつもの人を小ばかにした表情に戻った。

「バカは風邪ひかんらしいけど、泥まみれできったないから風呂はいっとき」

「でも直哉様も、泥んこまみれ」

「人の心配よか、自分の心配したらどうなん？顔だけ女」

「うわー、それ貶してます？あ、でも美人ってことで受け取っときまーす」

よっこいしょ、と立ち上がり取り合えず足袋を脱ぐ

直哉様は、と振り返ったがもうそこには影も形もなかった。