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「ここです」
『ありがとうございます』
アベくんは椅子に腰かけ、少し遠くを見ていた。
外庭には、たくさんの花が咲いていて。
嬉しそうに見つめる、アベくん。
『最近お店で、見かけないと思っていたんですが』
「本当は毎日でも、行きたいんですけどね」
そう言い、苦笑いする。
“アベくん、ここに居たの？もう検査の時間だよ？”
「すみません、すぐ戻ります」
「ヒカルさん、すみません。またお店に伺いますね」
『あっ、はい』
病院から家に帰って、あのアベくんの表情と言葉が離れなかった。
体調を崩していたのだろうか？
看護師さんが呼びに来た時にも、彼は酷く、冷静だった。
あの冷静さは元々なのか、それとも、
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作者名：はるけいとつ | 作成日時：2023年7月5日 18時
