心の欠片。‐4【短編集】 (ページ3)

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『ただいまー』

“照、お父さん今日から入院になった”

『えっ、どうしたの？』

“重い荷物持ち上げる時に、腰をやっちゃってね”

クローズの看板が出ていることに違和感があったが、母親のひと言。

段ボールを持ち上げた際に、父親がギックリ腰になったようで。

しばらく入院するとのこと。

心配はしないでと、母親が言っていた。

次の休みの日、病院に向かった。

なかなか慣れない、病院の環境に、少し驚きつつも。

少し周りの様子を見ながら、父親がいる病室へ向かう。

“照、心配かけてごめんな。後数日で戻れると思うから”

『ゆっくり休んでね』

話をしている途中に、母親から飲み物を頼まれ、病室から出て自販機を探す。

辺りを見回しながら探していると、見覚えのある人がいた。

「あっ、ヒカルさん」

『アベくん、こんにちは』

ゆったりとしたパーカーを着た、常連さんのアベくん。

お見舞いにでも来たのだろうか。

『自販機どこにあるか、知ってますか？』

「はい、案内しますね」

自販機？と不思議そうに言う、アベくん。

父親が入院していることを伝えると、「お大事に」と言ってくれた。

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