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阿部ちゃんは常にふわふわとした状態で。
現実と夢の境があやふやな、そんな状態らしい。
俺が話しかけても、彼からなにも返ってこない。
常に無表情だから、気持ちを読み取ることもできない。
もどかしい、毎日。
そんな中でも止まっていくことのない、日常。
気が付けば、デビュー日になっていた。
あの時から止まった時計を動かすためにも。
『…阿部ちゃん、今日、何の日か知ってる?』
「…」
聞いたけれど、やっぱり、何も返ってこなかった。
「…デビュー日、かな、」
『……うん、』
しばらくして返してくれたことに驚いて、言葉が出なかった。
無表情のまま、そう答えてくれた。
それをきっかけに、少しずつ言葉を紡いでくれるようになった、阿部ちゃん。
「…俺、笑えないよ、」
『大丈夫、』
今日行なうはずだった、デビュー会見。
どうにか掛け合って、お願いをして。
今日は動画を配信するだけ。
リミットは1週間。
笑えなくとも、一緒にステージに立ちたい。
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- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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作者名:はるけいとつ | 作成日時:2023年7月5日 18時