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祈るような思いで、待つ。
久しぶりに会った彼は、ベッドに横たわったまま動かなかった。
元々細身の体に、2本の点滴。
聞いた話によれば、彼の体に相当の負荷がかかっていた、ということ。
気が付かないうちに、過度のストレスがかかっていた、ということ。
過度のストレスのせいで、体が動かなくなってしまった、ということ。
念のために、数日間入院することになったらしい。
このところ、たくさんの仕事をこなしていた阿部ちゃん。
最近会えていなかったし、会っていたとしても、彼は辛さや弱みを言わない。
それでも、ほんのわずかな変化を見逃さず、彼が言わないとしても声をかけていれば。
彼に大丈夫？と聞いたところで、大丈夫だよ、としか返ってこないことは分かっている。
それでも。
そっと触れた手は、ほんのり冷たかった。
でも腕は、温かかった。
彼は、ずっと目を開けてくれなかった。
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作者名：はるけいとつ | 作成日時：2023年7月5日 18時
