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大雨の、そんな悪天候の日でも。
いつもの常連さんは、買いに来てくれた。
見慣れない服装で、いつもとはどこか、違う雰囲気を感じた。
でもいつもの笑顔は健在で、いや、どこか違和感を覚えて。
『足元が悪い中、ありがとうございます』
「いえ、こちらこそ。ありがとうございました」
次の日は、学校が休みの土曜日。
いつもの常連さんが来るかな、と楽しみにしながらすずらんを包む。
緑色の紙に包み、お気に入りの黄色いリボンを巻く。
同じことをし続けて、数百回。
すっかり慣れた、一輪の花の包み方。
“もう閉めるよ”
『はーい』
なんて父親に言われ、閉店の準備を手伝う。
今日は珍しく、いつもの常連さんが来なかった。
紙に包んだすずらんを手に取り、リボンを解く。
『明日は大雨、か』
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作者名：はるけいとつ | 作成日時：2023年7月5日 18時
