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そろそろ雨が降るなと思っていたら、本当に雨が降り始めた。
看護師さんがいたらすぐに引き戻されるけど、いないから、自分の自由。
濡れることに抵抗はないから、そのままベンチに座り続ける。
もういっそ、このまま、
『…大丈夫ですか、雨、降ってますよ？』
「……放っておいてください、」
ピンク色の髪の人にそう言われ、そう返した。
抵抗するように掴まれた腕を、振り払おうとする。
でも今の自分に、そんな力は残っていない。
腕を掴まれたまま、室内に引き戻された。
「…なんで、」
『雨が降ってたので、』
ピンク色の髪の人は、笑顔でそう言っていた。
雨に濡れたことがいけなかったのか、体は正直に反応していた。
嫌なほどの動悸と共に、呼吸が苦しくなっていくのが分かる。
足の力が抜けて床に倒れてしまいそうな時、その、ピンク色の髪の人が受け止めてくれた。
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作者名：はるけいとつ | 作成日時：2023年3月29日 15時
