心の欠片。‐2【短編集】 (ページ41)

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コンサートには出られないことが決まって、明日のひかるとの仕事も延期。

あぁ、今までの練習ってなんだったんだろう。

無駄だったのかな。

俺のひとり空回りだったのかな。

今から立ち位置の変更なんてできないだろうし、ソロ曲もあったからな。

迷惑をかけてごめんという気持ちと、自分の不甲斐なさに腹が立った。

ただただ天井を見つめ、“安静”が絶対条件で。

初めてのグループの単独コンサートは、自らチャンスを手放したようなもの。

ファンの皆さんはどう思うだろうか、メンバーはどう思うだろうか？

きっと、“何やってんだ、大事な時に”って思っているだろうな。

『阿部、』

「…ひかる？」

『うん、俺だよ』

わざわざお見舞いに来てくれたひかるに、合わせる顔がなかった。

きっと、自分の責任を強く感じているから。

『体調はどう、変わりない？』

「…うん、2日は安静にだって。それから数週間は、激しい動きはダメだって」

『…なんで、よりによって阿部なんだ、』

ねえ、なんでひかるが泣いているの？

俺が悪いんだよ？

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