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次の日。
主治医さんの言っていた通り、退院できることになった。
昨日よりも気温が下がり、朝から雪が降っている。
寒いと、風邪を引いて拗らせてはいけない。
そう思って、弟のお気に入りの上着を持って、弟の元へ向かう。
『来たよ。もう帰る準備できてる？』
「うん、できてるよ」
弟は嬉しそうに笑うと、立ち上がって、整理した荷物と持ってきていた荷物を持つ。
その手にある持ってきていた荷物を受け取り、上着を渡す。
受付で用事を済まして、主治医さんと看護師さんに挨拶を済ませる。
弟は深く腰を折ると、機械を引いて車へ向かう。
俺は持ってきていた荷物を持って、車へ向かう。
雪はさっきよりも多く降っていて、弟は片手を空に向けていた。
「雪って水分が急激に冷やされてるんだよね」
『そうなんだ』
弟は涙を流すことはなく、いつも笑っている。
辛い時でもそれを見せないように、いつもそっぽを向く。
「もしかしたら、俺の代わりに雲が泣いてくれているんだね」
『うん、そうかもしれないね』
弟はそう言うと、車のドアを開けて乗り込んだ。
弟は降り出した雪のように、止まることなく、進んでいく。
俺はそのサポートという役割を、これからも果たしていきたい。
fin.
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作者名：はるけいとつ | 作成日時：2023年3月15日 9時
