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「その言葉が、欲しかった」
『…阿部っ、』
阿部はそう言った後、するりと力が抜けたようだった。
「そう言ってくれたら、生きている意味があったのかもしれない」
阿部はそう言うと、ほんのり笑った。
「ごめんね」と阿部は言った。
「嬉しかった、信じてくれて」
『当たり前だよ、阿部があんなこと言う訳がない』
俺と阿部は話せているけれど、他のメンバーとはまだ誤解が解けていない。
阿部は悲しげな表情で、ポツリと呟く。
「もう無理なのかな」
『ううん、そんなことないよ。ちゃんと話せば分かってくれる』
メンバーを呼び寄せ、俯く阿部に代わり、きちんと話をする。
最初は何とも言えない表情をしていたメンバーだったけど、段々と柔らかい表情に。
強張っていた阿部の表情も、ほんの少しだけど、和らいだ気がした。
それからの数ヶ月は療養のため、仕事をお休みした阿部。
復帰最初の仕事は、雑誌の撮影だった。
緊張した面持ちで楽屋に入ってきた、阿部。
メンバーは彼を優しい表情で迎え、阿部はそれを見てほんのり笑う。
グループが、“Snow Man”が戻ってきた瞬間だった。
何にも代えられない、この特別な関係性。
これからもこの“6人”で、あるがままで生きていこう。
代替不可な、俺たちで。
fin.
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作者名：はるけいとつ | 作成日時：2023年3月15日 9時
