心の欠片。‐2【短編集】 (ページ26)

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最年少の彼。

彼について書かれた記事は、世間を大きく騒がせた。

彼が、「Snow Manである限り、グループとしてデビューはできないと思う」というもの。

嘘だろと思う反面、彼がこんなことを言うはずがないとも思った。

でも、最初にメンバーが発した、“だったら辞めればいい”というひと言。

メンバーがそう言った時彼は、無言で正面を向いたまま。

俺は黙って立ち上がり、『あんなの嘘に決まってる』と口を開いた。

でも怒りが沸点に達していたメンバーには、それが聴こえていなかった。

俺が止めようとした時にはもう、遅かった。

“お前がそんな奴だとは思わなかった。もう、目を合わさないでくれ。なんなら辞めてくれ”

そんなことを言い始めた。

最年少の彼は、「…嘘なのに」と小さな声で言った。

それもメンバーには聴こえていないようだった。

彼は部屋を出ていき、部屋に5人だけが残った。

『まずは信じるってことができないのか？阿部があんなこと、言う訳ないだろ』

“舘さんはあれが噓だと思ってんの？あいつの擁護か？”

一瞬にして、グループは崩壊してしまったのだ。

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