心の欠片。‐2【短編集】 (ページ25)

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【代替不可であれよ】‐dt ページ25

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音楽だ、ダンスだ、アクロバットだ。

そんな世界で生きる、戦う、俺たち。

活動の最中、考えられないようなニュースが世間を騒がせた。

メンバー間で設けられた話し合いでは、最年少の彼だけ口を開かなかった。

今思えば、ひとりで全て背負っていた、ということ。

募る後悔とは裏腹に、時は戻ってはくれない。

むしろ、待ってくれとばかりに、早く過ぎていってしまう。

叶うなら、止まってくれ。戻ってくれ、時よ。

もう少し早く気付いていれば、今、メンバーの誰とも目を合わさないなんてことはないだろう。

あの時のたった、ひと言。

彼にかけられたあのひと言で、彼は変わってしまった。悪い意味で。

声をかけても返ってくるのは、彼らしくない言葉、作られた、言わされているような、言葉ばかり。

何事も『仕事だ』と割り切って、そんな状態での仕事なんて楽しくない。

コンサートなんてもってのほか。

雑誌の撮影でも、気まずい空気は流れたまま。

一度壊れたものの修復は、こんなにも難しい。

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