心の欠片。‐2【短編集】 (ページ2)

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佐久間とは幼稚園からの幼なじみで、とても仲が良い。

引っ込み思案だった俺に、佐久間はいつも話しかけてくれた。

今の俺があるのも、佐久間のおかげ。

小学校も中学校も同じ。

いつも、一緒に登校している。

写真を撮るのは、小学生の頃からの趣味。

多分、自分が残したいと思った、自分の記憶に残しておきたい、覚えておきたいものの記録。

自分の口で伝えられない代わりに、そうしているのかな。

分からないけれど、きっとそうなんだと思う。

『阿部ちゃん、何撮ってるの？』

「“風景、もうすぐ夏だから緑が増えてきてるね”」

話すことが好きだと言っていた、佐久間。

俺が喋らないから、佐久間がいつも喋ってくれている。

佐久間が一方的に話しているように見えるのか、周りからの目が、冷たく感じたことも多々ある。

でも佐久間はいつも、俺を守ってくれたよね。

今も、俺のことを守ってくれているよね。

きっと高校だって、自分の行きたいところがあったはずなのに。

俺のために、同じ高校を選んでくれたんだよね。

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