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“6人”分の衣装が並ぶ、廊下。
手に持つペンライトも、もちろん、“6つ”。
分かりやすいようにつけられた、“6色”のシール。
俺は自分の紫と阿部ちゃんの緑を手にし、他の色をメンバーにそれぞれ手渡す。
阿部ちゃん、阿部ちゃんも一緒にステージに立つんだよ。
そんな共通の思いを、“6人”それぞれ持って立つ、そんなステージ。
アンコールでいろんな思いが込み上げ、人目を気にすることなく、形振り構わず泣いた。
隣の照が肩に手を置いてくれて、翔太も背中に手を当ててくれる。
本当に、このメンバーで良かった。そう思わせてくれる、コンサートだった。
『阿部ちゃん、無事に終わったよ』
「お疲れ様、見てたよ」
『俺ちゃんと、ファンの皆さんに幸せを届けられたかな？』
「うん、俺にも届いたよ」
阿部ちゃんは笑って、そう言ってくれた。
あの時の涙も、阿部ちゃんは見ていたらしく。
「形振り構わないとこ、好きだよ」
『泣いてたのバレちゃってたか、』
「ううん、ふっかのそういうところ、いい所だよ」
fin.
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作者名：はるけいとつ | 作成日時：2023年2月23日 20時
