恵まれている、の定義。 (ページ13)

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身に染みて感じる、みんなへの大きな負担。

俺がステージに立てないことで、歌割や立ち位置、何もかもを変更しなくてはならない。

みんなは優しいから言わないでいてくれているだけで、それが垣間見える。

前はずっと来てくれていた、翔太が全く来なくなったこと。

それと連動してか、舘さんも来なくなった。

きっと、舘さんが翔太の隣にいてくれているからだろう。

そんなことを思っていたある日、

ガラガラ

阿部「…翔太っ、」

渡辺「…っ、あべ、ちゃん、」

ふらふらとした足取りで、弱々しい声で。

隣にいるはずの舘さんが、今日はいなかった。

もしかして止められても、無理して来てくれたのだろうか？

渡辺「…っ、おれ、うた、えない、」

阿部「…翔太、」

翔太は涙を流して、本当に小さな声でそう言った。

きっと、ふっかや佐久間、舘さんに照にも、この涙を見せていないはず。

我慢強い彼だから、溜め込んだものが抱え込んでいるものが、ここで少し溢れたのだろう。

少し彼を引き寄せて、肩に手を置く。

背中に手を当てて、軽く、優しく、背中をさする。

阿部「……ごめんね、翔太にいっぱい背負わせちゃって。俺のせいだよね、ごめんね、」

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