微炭酸-4

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鍵を閉め、弟と手をつないで歩く。


弟は大事なヘッドフォンをつけて、俺の顔をずっと見ている。


途中で横断歩道に止まると、決まって怖がる。









あれは、数年前の事故が原因だった。









亮平「…にーちゃん？」


涼太「あぁ、ごめん。行こうか。」









数年前の事故が原因で弟は、グンと幼くなった。


俺より勉強ができて、誰にも優しかった。


そんな弟を変えたのは、アイツのせいだ。









涼太「じゃあ、また来るから。お勉強、頑張ってね？」


亮平「うん、がんばる！」









進学校に通っていた弟は、事故と事故の後遺症で、通っていた学校に通えなくなった。


周りの人たちと同じペースで勉強をすることが難しくなり、やむを得ず退学することになった。


代わりに通うことになったのは、特別支援学校。









グンと幼くなった弟は、それまで出来ていた簡単な計算も、小学生が習うようなことも。


全て、出来なくなってしまっていた。









本当なら同じ学校に通っているはずの弟は、隣にはいない。









涼太「…ごめん、亮平。」


あの時、俺が、ちゃんと守れていたら、









こんなことにはならなかったかもしれないのに。









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４→←２

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