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八乙女「どう？荷物の整理終わった？」
阿部「うん、もう終わったよ。」
退院の日が明後日と迫った今日、阿部ちゃんは荷物の整理をしていた。
そのほとんどが勉強に関するもので、参考書や教科書が大半を占めている。
ガラガラ
？「阿部ちゃん、久しぶり。」
阿部「…久しぶり、おーちゃん。」
八乙女「お久しぶりです。」
阿部ちゃんが“おーちゃん”と呼ぶこの方は、彼の家である“施設”の職員さん。
主治医である櫻井先生、放射線技師である相葉先生の知り合いでもある。
今日は明後日の退院に先駆け、荷物の持ち帰り、櫻井先生に阿部ちゃんの体調や身体の状況を聞きに、訪れた。
大野「元気そうだね、体調はどう？」
阿部「大丈夫だよ。最近はずっと勉強をしてたの。」
大野「そっかぁ。本当に元気そうで良かった。」
笑顔の溢れている、なんとも言えない心地の良い空間。
僕が求めていたものって、これなのかもしれない。
改めて、感じさせられた。
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作者名：田中葵李 | 作成日時：2020年3月23日 20時
