夢を魅て、悪夢を見た。 (ページ30)

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有岡「そうそう、上手。」

治療が終わり、検査の結果を待っている期間は、休養をとりながらリハビリを行う。

麻痺のある左半身を中心に、学校に戻れるよう、準備をしている。

今まで中断していた勉強も、治療が終わったのを機に、再開した。

渡辺「最近調子はどう？」

阿部「治療が終わってから、ゆっくり休めてるよ。」

阿部「翔太は、ちゃんと学校に行ってる？」

渡辺「うん、しめがいるから安心。」

笑顔が増えた阿部ちゃん。

笑顔は、最も効果的な、“特効薬”であると考えている。

その効果、阿部ちゃんには良く出ていた。

櫻井「有岡から聞いたんだけど、リハビリの効果が出ているみたい。前よりも、歩く時の違和感がないって。」

八乙女「そうなんですか？左手の麻痺は、どうなんですかね？」

櫻井「…あんまり良くなっていないみたいだな。それでも前よりは、握力もあるみたいだけど。」

せっかく順調に回復しているのに、左手の麻痺が治らない。

抗てんかん薬を飲んでいるおかげで、てんかん発作は減っているのに。

八乙女「手、良くなれ。」

阿部「ふふっ、ありがとう。光くん。」

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