11.君を想って ページ12
pikt「A先輩、かーえりましょ!」
「はいはい、帰ろ!」
練習終わり。
タオルを振り回し、屈託のない笑顔を浮かべて走ってきた白井くんに、私はこくん、と頷いた。
帰る方向おんなじだし、丁度良いよね。
___________もう、涙もおさまったし。
pikt「……んあれ、なんか、目ぇ赤くないっすか?…え、大丈夫…ですか?」
「あー、うん!全然大丈夫!安心して!」
まだ、ほんのりと熱を持つ目尻をすうっ、と撫でて微笑んで見せた。
それなら、良いんすけど_______と言葉を濁した彼。
安心させるように、再度微笑んで。
鞄を肩に引っ掛け、白井くんを半ば引っ張るようにして体育館を出た。
「さーさ、早く帰んないと暗くなっちゃうよ。帰ろ。」
pikt「…はい!」
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pikt「先輩。」
「ん〜?」
pikt「俺ね、先輩はヒロインにぴったりだと思うんすよ。」
「あら、どしたの、急に。」
突如呟かれた、そんな言葉に思わずぐらり、と心が揺れる。
ちらり、と私より幾らも背の高い彼を見上げると、彼は悪戯小僧みたいに笑っていた。
__________あーあ、好きだなぁ。
pikt「んふ、そーやないですか!…美人さんですし、髪の毛も柔らかくてさらぁ…としてるし、優しいし、瞳も澄み切ってて、目千両だし_______。ヒロインにぴったり過ぎませんか?」
「ものすごく照れるんだけど、本当にどうしたの?白井くん?」
pikt「…だから。」
『貴……を…か…よう……甲…な………とこに……ゃ…目……で…よ。』
直後、耳鳴りがして彼の言葉は半分以上聞こえなかった。
「…なに?ごめん、聞こえなかった。」
pikt「……何でもないでーす!とにかく、A先輩は凄い、って事を言いたかったんですよ。」
「ふふ、ありがと。…白井くんの凄いところ、100個言ってあげようか?」
pikt「んふふ、嬉しいっすけど、恥ずかしいんでやめてくださいぃ…。」
『貴方を泣かすような不甲斐ない、俺んとこに来ちゃ駄目ですよ。』
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える@脅威推し - 尊かったです!全部!前世から短編集まで全部回ってきました!正直に言うと、泣きました。 (2022年5月23日 3時) (レス) id: e12e4c1c65 (このIDを非表示/違反報告)
える@脅威推し - 私をヒロインにしてくれへん…?(なんなん?リア充め…(^o^)🖕) (2022年5月23日 3時) (レス) @page21 id: e12e4c1c65 (このIDを非表示/違反報告)
ネル(プロフ) - 暇人さんさん» ふふ、ありがとうございますっっ!!! (2020年11月24日 16時) (レス) id: cbb9918bd0 (このIDを非表示/違反報告)
暇人さん - 遠回しの言い方(?)が好きっっ!!!! (2020年11月19日 5時) (レス) id: 9e59c5682d (このIDを非表示/違反報告)
ネル(プロフ) - みかげさん» ひゃぁ、みかげさんんんんんッ!!!お久しぶりです!! ふふ、不運なキューピットもようやく結ばれました!笑 んふふ、最高なんて言っていただけて嬉しいです…!作者イチオシのあの二人です笑 閲覧ありがとうございます! (2020年9月2日 22時) (レス) id: 138836bbb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネル | 作成日時:2020年6月4日 22時