19.付き合ってくれへん ページ20
ni「ん…ｯ！？」
直後にこぼれた先生の間抜け声。
思わず笑いを漏らすと、先生は怒ったようにこちらをじとっ…と見つめた。
ni「え、え、え？」
「どしたんですか？」
ni「え、これ犯罪？俺、犯罪になるかな？」
「何言ってんですか…。」
年甲斐もなく、真っ赤な頬はヒラヒラ落ちる桜よりも濃くて。
風にたなびく私のネクタイより薄い。
ni「あ…んな？」
「はぁい？」
ふざけたように間延びした声で問いてみる。
すると、先生は少し微笑んで。
ハゲ先から逃げた時みたいに腕を引っ張った。
当然、私の体は重力に従いふらりと倒れる。
ほんのりと煙草の香り。
それから、珈琲の香りもほんの少しだけ。
よく職員室で珈琲を飲んでいる先生の、先生だけの。
香りに包まれ、なんだか少しだけ安心した。
「せんせ…？」
ni「ばーか、もう今日からは先生やないで。“元”付けんと。」
それは良い意味としてとっても良いの？
私、馬鹿だから期待しちゃうよ？せんせ。
少しだけ背中に回された手に力が入って、先生の声が上から降ってきた。
ni「灰島Aさーん。」
「はーい、なんですかー？」
ni「貴方に宿題を出します。」
灰島だけな！とこころなしか、嬉しそうに言う先生の胸にぐりっ、と頭を押し付ける。
痛い、痛い…と言いながらも先生は頭を撫でてくれた。
ni「私も灰島の事が好きです。ので、その返事を受けるか受けないか大学卒業まで…。」
ガバッと顔を上げると、思いっきり先生の顎に頭をぶつける。
ni「痛った！？お前…最後まで聞けや！！」
「大学卒業まで？…せんせ、私が宿題嫌いな事知ってますよね？」
そう言えば、仁井先生はふはｯと笑った。
そして、こちらを見下ろして。
一言、宿題にコメントを付けてくれました。
『付き合ってくれへん？』
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ネル(プロフ) - うり太郎さん» ふふふ、この作品を発掘してくださりありがとうございます！！ 帰って来るまで気長に待つしか無いのは少し寂しい様な気もしますねぇ… (2021年9月14日 22時) (
レス) id: 6f532853c0 (このIDを非表示/違反報告)
うり太郎(プロフ) - あ、ヤバい･････････尊い(真顔)何でもっと早くこの作品を見つけられなかったんだ･･･ｯッ!!兄さん、早く帰ってきてぇｯ!! (2021年9月7日 22時) (レス) id: ccbe99882f (このIDを非表示/違反報告)
ネル(プロフ) - 羚丹さん» ひゃ、嬉しいです…！！！ (2021年3月24日 16時) (レス) id: cbb9918bd0 (このIDを非表示/違反報告)
ネル(プロフ) - tunaさん» (蘇生) てぇてぇ2人をお楽しみくださった様でなによりです…！！ (2021年3月24日 16時) (レス) id: cbb9918bd0 (このIDを非表示/違反報告)
羚丹(プロフ) - ひぇ…好き…… (2021年3月21日 3時) (レス) id: bbc1f73d37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネル
| 作成日時：2020年4月7日 15時
