異なる二人の初恋 ページ36
不意に言葉を遮られ、小さく顔を上げる。
疲れた目に彼の些か鮮やか過ぎるような萩色の目が染みて、目元が熱く滲んだ。
脳裏に萩色とはかけ離れたショッキングピンクが明滅する。
しかしながら、そのショッキングピンクの眩しい光の中でも、彼の姿はやけにはっきりと視界に佇んでいた。
「ろぼろ」
「あんなぁ、俺なぁ、……Aのおかげでヒロインになれたんやで」
「…知ってるよ、もう聞いた」
「…俺、この学園の入試な、演劇科と____ほんまは、音響芸術科受けとってん」
ふっと耳に滑り込んできた聞き慣れぬ単語に、思わず小さく声が漏れる。
困ったように微笑んだ彼はずっと真正面から私と向き合っていて、その言葉に嘘偽りがないことは明らかだった。
音響芸術科、
「W.R.D.歌劇学園」に存在する学科の一つで、主に歌唱の歌詞・曲制作、舞踏の曲制作等の【音】に関する全てを演劇科に提供しているところ、というくらいしか私は知らなかったが、まさか彼がそこの入試を受けていたとは思いもしなかった。
いや、よく考えれば一年の頃から彼が妙に歌唱の能力が特出していたのも、それならば納得がいく。
この学園の音響芸術科の入試には厳しい歌唱テストが含まれていたはずだ、
中学の頃に毎日のようにスクールパンフレットを捲っていたから、紙面に書かれていた言葉は大体覚えている。
突然の告白に動揺が隠せない私を見て、あっけらかんとした風に笑うと、彼は少しばかりその目を伏せて、細い指先を組み合わせた。
「…俺、音響芸術科の入試受かってん、……でも
「え」
「そりゃあ嫌やったけど、転科願いは二年にならな受け付けんて言いよるし、…仕方なく行ったら、今度は新入生限定公演でヒロインに抜擢されとった！…ほんま、あの時は教師を殴り飛ばしてやろか思ったわ」
「…うん、そっか」
「…俺の周りにいる奴らは、ずっとこの学科を夢見て努力して来た奴らばっかやし、歌だって踊りだって抜群に上手い。…俺は歌が出来るくらいで、ダンスなんか中学の頃の体育以来やったから、変に疎外感感じて、…俺、退学しようと思った時やってあってんで？」
「…でもなぁ、そんときにAが言ってくれたやんけ」
_______『私が貴方をヒロインにしてあげるから、ただ、身を任せてるだけで良いよ』
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ゆるぽろう - 了解でございます！！私生活が忙しいのですか、無理はなさらず頑張ってくださいませ…！ネル様が生存していた(？)ということが確認できたので本当に良かったです、例え不定期でも全裸待機します！！体調にはお気をつけて！！！ (2022年8月3日 20時) (
レス) @page42 id: 26d6d8e78e (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - ネルさんの作品、特にこのシリーズとっても好きなのでいつまでも更新待ってます！私生活も占ツクの更新も無理しないでくださいね！ (2022年7月30日 0時) (レス) @page42 id: 7aebf15c07 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるぽろう - 本当にお前おこがましすぎるし殴るぞと思われるかもしれませんが、他作品の更新もないので少しと言うかめちゃくちゃ心配でございます。もしも戻って来られましたら泣くので、ずっとここでペンラ振って全裸待機してます。長文失礼いたしました。好きです！！！ (2022年7月27日 22時) (レス) id: 98cc6c3041 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるぽろう - 前作や前々作を読み返したり、この作品も最初から見たりしてますが、やはり寂しいですな(何様じゃボケ)私生活がお忙しいようでしたら仕方ありませんし、私一読者がこんなことを言うのなんておこがましいですが、またネル様の物語を読みたいなと日々思っております。 (2022年7月27日 22時) (レス) @page40 id: 98cc6c3041 (このIDを非表示/違反報告)
ネル(プロフ) - ゆるぽろうさん» 把握ありがとうございます、、！！ 解釈不一致に日々呻いております、、笑 納得のいく作品になったら恐らく筆ものるはず、、。 …私も好きです笑 (2022年5月24日 16時) (レス) id: 3cff5be0f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネル
| 作成日時：2022年5月17日 19時
