完璧主義【wrwrd】

兄妹12 ページ12

「ねぇ、いいんちょーサマ。」

「はい？」







帰り際、くるり、と振り返ってみれば。







どこか卑下な笑いを浮かべた輩がひとり、ふたり、さんにん。







「ちょっと来てよ。」







嫌な予感しかしないけど。







ワタシだもん。







私は居ないから大丈夫。







階段裏で、与えられる痛みにも微笑んで対処。







そうそう。







ワタシは完璧なの。







いつも笑っているような。







そんなワタシは完璧だよ。







「ほんっと、アンタｯてつまんないよねぇ！」

「はい。」


　



少しだけ口角を上げてみれば、輩はまたギョッとした顔をした。







「ほんっとにさァ！」







グイッと髪の毛を掴まれて上を向く。







「キモいんだよ、アンタは！」

「人形みたいにいつも笑っちゃってさ！」

「無能の癖に。アンタは完璧でも何でもないただのクズだよ！」
　






「…は？」







ワタシの声が階段裏に響いた。







「完璧ジャ無イｯテ…？」







輩の1人に微笑んで聞いてみる。







「なっ何なのよ…！？そうよ！アンタはく…。」







ワタシの手が勝手に動く。







…何してるの？ワタシ。







気付けば、輩を壁に押し付けていた。







暴れて喚く輩に微笑んで、微笑んで。







「ワタシは完璧じゃ無いとイケナイノ。完璧以外ハアリエナイノ。…アリエチャイケナイノｯ…！」






助けて。







ワタシが身体を呑み込んで、制御できないの。







助けてェｯ！！







輩はギョッとした顔でワタシを引き剥がそうと叫ぶ叫ぶ。







「何やってんねや、Aｯ！！！！」







格段に強い力で後ろに引っ張られた。







ダァレ？ワタシヲ邪魔スルノハ。









(ワタシって、何？私って誰？)

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