兄妹2 ページ2
「Aー。学校行くでー!」
階段下からお兄ちゃんの声がして、キュッと唇を噛み締めた。
クラスメイトの女の子からも人気のある、お兄ちゃんの声。
そんな声が私の名前を呼ぶ。
「A?どしたん?」
「何でも無いよー!すぐ行くからちょっと待ってて!」
やめよ、朝からこんな事を考えるのは。
藍色の髪を1つにまとめて、笑顔を作り、部屋のドアを開けた。
「わッ!!」
「何やってんの…お兄ちゃん。」
「何や、驚きもせんの…。」
ドアの影からドッキリを仕掛けてきたお兄ちゃんに、苦笑を向けながら階段を降りる。
「おかーん、今日なデートあるから多分遅くなるわ!」
「はーい。…遅くなり過ぎないのよー?」
「分かっとるッて!」
お母さんは呆れた様にお兄ちゃんを見つめた後、私を見つめて、悪戯っぽく微笑んだ。
「A、お兄ちゃんの彼女見てきて、お母さんに報告して…!!」
「りょーかいです!」
「いや、辞めてや!?A、了承すな!」
ぽかん、と頭を軽く叩かれてクスクス笑うお母さんと私。
「気をつけていってきてね!行ってらっしゃい!」
「「行ってきまーす!」」
お父さんの好きな青いドアを開けて、私たちは外に出た。
(幸せそうに見えるでしょ?)
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かみきれ(プロフ) - 泣いた。普通に泣いてしまいますよ、こんな感動する作品を書ける作者様を尊敬します…!なんで一回しか評価できないんですかァァァ!妹ちゃんを傷つけた奴許さねし、兄妹って素敵だな、と思いました!妹ちゃん、幸せになってェェ!長文失礼しましたぁぁ! (6月3日 18時) (レス) @page20 id: 1778223a4a (このIDを非表示/違反報告)
ネル(プロフ) - lierさん» ありがとうございます。 涙を拭いてください、、彼女は、きっとゆっくり幸せを手に入れる事でしょうね。 (2022年4月14日 7時) (レス) id: 2ad3d955a3 (このIDを非表示/違反報告)
lier - すごすぎですね。涙が止まりません。妹ちゃんよ幸せになってくれ (2022年4月14日 0時) (レス) @page20 id: 58af354147 (このIDを非表示/違反報告)
ネル(プロフ) - 無名さん。さん» 完璧が全てでは無い、彼女に声をかけて下さり、ありがとうございます。きっと、人一倍敏感で繊細なあの子なら、貴方様の言葉を強く受け止めてくれると思います。きっと、皆は救われる筈。貴方様の一言で、また終わりが変わりました。あの子を見つけてくれてありがとう。 (2020年8月9日 19時) (レス) id: 138836bbb2 (このIDを非表示/違反報告)
無名さん。 - 僕は、僕なら。「“完璧が全て”じゃないと思うの。」と声をかけたいです。それで彼女が、人々が。救われるなら…とね。 (2020年8月9日 19時) (レス) id: 7ddfc90367 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネル | 作成日時:2020年3月31日 18時