また、俺だけ見てくれへん？【rb】【wrwrd】【学パロ】 (ページ19)

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18.また俺だけ見てくれへんページ19

『チョコレートみたいな色の瞳を細めて笑う姿は、花が咲いたみたいで…！！』

「桃瀬先輩、今日はめっちゃ感情移入してない？」

アリア「恋のお話だからじゃない？」

一文、一文をあったかい声で読み上げる桃瀬先輩は、やっぱり優しい人なんだな。

そんな事を思いながら、おかずを頬張る。

『話は変わりますが、私は独占欲が強い方です。…その人のクラスメイトの噂を聞いて、少し嫉妬しました。』

桃瀬先輩の声が少し途切れた。

クラスメイトたちは怪訝な顔でスピーカーを見つめる。

私もスピーカーを見つめた。

何かあったのかな…？

『なぁ。』

桃瀬先輩の声が小さく響いた。

『俺はAさんだけを見てたいんやｯて…。』

はらり、と零れ落ちてスピーカーから流れた本音(声)を聞いて。

私はまだ残っているお弁当から顔を上げた。

アリア「ん…？今、Aｯて…。」

「私、行かなきゃ。」

アリアちゃんの不思議そうな顔を背にして、教室を飛び出す。

クラスメイトたちの悲鳴が聞こえた。

放送室は1年の教室から1番遠いけど。

廊下を走って、走って。

職員室から、仁井先生の顔がひょっこりと出てきた。

ni「青春だな。…頑張れよ！」

…仁井先生は青春ならば、許してくれるのだろうか。

そんな事を考えて、クスと笑いながらも放送室の扉を開いた。

もうスピーカーから声なんか流れてもない。

ただただ、真っ赤な桃瀬先輩が此方を振り向いた。

rb「Aさ…。」

椅子に座っているから、今日は私の方が背が高い。

抱きしめても、真っ赤な顔は見られないや。

キュッ、と彼の背中を握り締めると恐る恐る…といった感じで背中に手が回された。

rb「あの…Aさん…？」

「私は…元々貴方しか見えてませんよ。」

そう呟くと、桃瀬先輩は小さく笑い声を挙げる。

そして立ち上がって、私の頭に顎を乗っけて呟いた。

rb「そっか。…ごめんな、前世の事、他の奴から聞いた。」

「忘れてました…？」

おん、と呟いて慌てた様に今は違うで！？と弁解するロボロさん。

くすり、と微笑むとロボロさんは少しヤケになって叫ぶ様に言った。

『また、俺だけ見てくれへん？』