先輩11 ページ11
遠くで叫び声が響いた。
その声を聞いた時には、もう相当な数を切っていて。
下級兵士しかまだ来ていないけど…。それはゾムなりの気遣いなのかもしれない。
強い奴は渡したく無いだけかもしんないけど。
「ショッピ。大丈夫？」
「はい、全然大丈夫です。」
ショッピはこくん、と頷いて取りこぼしを待っている。
相手から、矢が飛んで来た。
剣で払いながら、ショッピの方を向いた。その時に。
ヒュッ
これ、知ってる。
全てがゆっくりになるセカイ。
視界の隅に矢の針を確認して、私は動いた。
大切な後輩を守るために。
大切な後輩を狙った矢の前に。
大切な後輩の前に。
とすっ
軽い音がして、走る激痛。
思わずすとん…と後ろに倒れ込んだ。
「先輩ｯ！！」
後輩の声が響いて響いて。
あの子の悲鳴と重なる重なる。
はじめてなんて嘘。
記憶から消したかっただけ。
「せーんぱい！」
と微笑んで死んだ彼女を。
次は守れたよ。
「先輩ｯ先輩ｯ…！！」
「なぁに、どうしたの。」
「やだｯ…死なないでくださいｯ！」
ボロボロもう泣いている彼の頭をぽんぽん撫でる。
「無理かなぁ…。眠くなってきちゃったもん。」
「嫌だぁｯ…！！居なくならないで…ｯ！！」
先輩、先輩…と繰り返す後輩に思わず笑いが漏れた。
「大丈夫。貴方は強いよ。」
「嫌だ嫌だｯ！！先輩にまだ勝ってないんすよ！？」
「ふは、そうだったね。」
ボロボロと涙が落ちて落ちて。
手で拭ってあげた。
「先輩ｯ…！」
「ショッピ。」
死んじゃ駄目だよ。
「せっかく守れたんだから。」
「先輩ｯ…！！」
貴方は私の自慢の後輩。
可愛くて強い後輩。
「やだぁっ…。」
「先輩ですから。」
最期まで貴方を守れたら、それで良いの。
ふっ…と微笑んで瞳を閉じた。
さよならショッピ。
私の後輩。
(先輩たるもの後輩を守って死ねたら、それは本望なのです。)
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ネル(プロフ) - 紫陽花さん» 初コメありがとうございます…！ いつもですか！私の作品を閲覧頂いたと聞き、幸せの舞を踊りました笑。 この作品は私のお気に入りです。此方こそ素敵なコメントありがとうございます！これからも頑張りますね！ (2020年6月7日 0時) (
レス) id: 138836bbb2 (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花 - 泣きましたああ（泣）コメントは初めてですがいつもネルさんの作品見させていただいてます！この作品が1番好きでコメントさせていただきました。素敵な作品有難うございます！これからも頑張ってください！ (2020年6月6日 21時) (レス) id: a482b1a1ec (このIDを非表示/違反報告)
ネル(プロフ) - きのこ(em推し)さん» レス遅れてすみません…！ ありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです！ (2020年5月12日 18時) (レス) id: 138836bbb2 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(em推し) - すっごく心に来ますね…大好きです！！ (2020年5月12日 16時) (レス) id: 5357f72739 (このIDを非表示/違反報告)
ネル(プロフ) - きくおさん» ありがとうございます…！！ 素晴らしい作品なんて…勿体無いお言葉です。応援これからもよろしくお願い致します…！頑張りますね！ (2020年5月6日 21時) (レス) id: 138836bbb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネル
| 作成日時：2020年3月26日 20時
