◇ ページ21
「おい神。Aから離れろ」
「ふふ、俺がそれで大人しく離れると思う？」
きゅ、と強くAを抱き締める。するとAの顔が強ばる。やがて顔を顰め、耳を塞いだ。Aの耳に自身の耳を貫く様な耳鳴りがしたからだ。
「んふ、A」
そうロボロが目を細めると、Aは顔をさらに顰めた。Aの耳に、ロボロの声が届いたのだ。否、ロボロの声しか届いていないのだ。ロボロの能力であるそれは、しんぺい神からしても厄介なものであった。
「……っしんぺい神、様」
「Aちゃん！くっそ、ロボロ〜？？」
Aから見れば、ぱくぱくと口を動かしているだけなのだ。しかしこれまた厄介な事に、ロボロはAに近寄れない。しんぺい神のバリアの能力は、グルッペンでさえも剥がすのが難しいのだ。
「俺、ロボロな。俺はAに酷いことせんし、Aの事ぜーんぶ分かっとるで？」
「っ、やめて、やめて……っ」
ロボロ以外の声は聞こえない。恐怖に脅え、しんぺい神の腰に手を回すも、ロボロの声は耳を貫く。
「あは、かわい」
「やめて、……やめて…………っ」
やがてその瞳から涙を流すA。しんぺい神は未だにグルッペン達と口論しており、しかしその大きな手はしっかりとAの頭を撫でていた。
終わり
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おうどん(プロフ) - 私が初めて占ツクでみた小説がこれでした。この素敵な作品のおかげで占ツクというサイトが知れました。本当にありがとうございます！続きを楽しみにしてますね！ (2021年9月5日 21時) (
レス) id: 564d3ed6e9 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 続きが気になります！ 続き待ってます (2021年8月20日 0時) (レス) id: 20fdbcd504 (このIDを非表示/違反報告)
白夜ちん(プロフ) - 絶対に負けるな神！！不利だと思うけどここで負けたら他のメンヘラ系の作品と同じようになってまう…。他が悪いわけではないけどここで神が勝つとより面白そうやから頑張ってくれ…！とても面白い作品ありがとうございます！お体に気をつけて頑張ってください！ (2021年3月10日 10時) (レス) id: e4d4c2e88c (このIDを非表示/違反報告)
天笑くん(プロフ) - キキルさん» こんにちは。コメントありがとうございます！ 神作だなんて……私には身が余る程です、ありがとうございます……。ゆっくり更新ですが頑張ります！ (2020年12月7日 14時) (レス) id: 009e7901bd (このIDを非表示/違反報告)
キキル - こんにちは！相変わらずの神作で・・・ 作者様の書く作品の全部が好きです！これからも、更新頑張って下さい！ (2020年12月7日 1時) (レス) id: 4b53e11b6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天笑くん
| 作成日時：2020年11月11日 14時
