検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:22,202 hit

きゅう ページ10

.



隣の彼はそんな私の心境も知らず、悠々と話し掛けてきた。


少し身構えていた時だった、私のスマホに一件の着信が入った。
慌てて画面を覗くと、そこに浮かんでいた名前はというと、_____


隣の彼を横目で見ると如何やら不機嫌そうで怖く思えて、


否、もう既にその態度が行動に出ていたんだ。






「ごめん、電話…」
「なあA、」






そう嘆く彼の目はもう光の欠片も無かった。
いきなりの呼び捨てにも驚きを隠せなくて。
私は思うが儘に、握り締めていたスマホの着信に応えた。






〔あっ俺だけどさ、今どこにい…〕

「わたる、ごめんなさい……」

〔……A?〕

「だいすき、だったよ」






そうわたるに伝えた直後、私が電話に気を取られている間にじりじりと詰め寄って来ていた彼が私の腕を掴んだ。

必死に抵抗してもオトコの力というものには勝てる筈もなくて。






〔直ぐ行くから〕






わたるの、大好きな彼の声が私にだけ届くように電話越しに聞こえたのを機に、一方の彼はというと、






「なんで、なんでなん……」
「さ、かたくん…?」
「俺だけ……俺だけを見てたらいいのにっ!!






え、と彼の言葉を聞き返すことも出来なかった。
彼から感じる強力な圧に抗えるわけなくて。





「うらさんなんか、辞めたらいいやん」
「、坂田くんなんか可笑しいよ…?」
「可笑しいのは、Aやろ」








「俺のモン(かのじょ)になんでならへんの」



.


じゅう→←はち



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (60 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
43人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

彩雲 朱瑠璃 - すごかったです!(語彙力消失)最後の解説読んだとたん涙が…このお話は他の視点から見ればハッピーエンドなんですかね…素敵な作品でした! (2022年1月8日 17時) (レス) @page12 id: b1698b1cbf (このIDを非表示/違反報告)
CIEL☆(プロフ) - ちゆ@(tag)さん» ちゆちゃんありがとうね;; お互い作品頑張って行こうね!!  (2020年5月13日 18時) (レス) id: 6daf1523f9 (このIDを非表示/違反報告)
ちゆ@(tag)(プロフ) - ただ感動...!こういうお話、書けないから羨ましい。。素敵な作品をありがとう! (2020年5月13日 10時) (レス) id: 50fd3bea9e (このIDを非表示/違反報告)
CIEL☆(プロフ) - もな@草製造大魔王さん» もなちゃんありがとう!! そう言ってもらえて嬉しいです〜〜 頑張って行くね!! (2020年5月12日 9時) (レス) id: 6daf1523f9 (このIDを非表示/違反報告)
CIEL☆(プロフ) - 谷たぬきさん» たぬちゃんコメントありがとう!! これからも頑張ります!! (2020年5月12日 9時) (レス) id: 6daf1523f9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:CIEL☆ | 作成日時:2020年5月11日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。