ほんとうは。【音駒】

にじゅうさん ページ24

気付いた時には、私の顔は涙でぐちゃぐちゃで汚くなっていた。

ある意味汚い




涙を抑えようとすればするほど、溢れてくる
頬が引き攣り、痙攣を起こす。


しゃっくりが止まらない



息苦しくも感じてくる。






このまま息が止まって、死んでしまいたいとすら考えだす


恥ずかしいとこを見せてしまっている灰羽には、本当に申し訳ないと思う







べちゃべちゃな顔を隠すため、両手で顔を覆った



灰羽も、バレー部の人達も優しすぎる。

心が綺麗で、私とは比べ物にならないくらいに








そう思うだけで、自分だけ、人ではないんじゃないかと思えてしまう





出来る事なら、喉が裂けても良いから大きな声で、子どもみたいに声を上げて


泣きたいと思った。



情けないと、笑われてしまっても構わないから


それならいっそのこと、指をさして私の汚いところを嘲笑ってほしいのだ







ねぇ、苦しいんだ。

情けなく、ウジ虫のような自分を見るのが。



記憶がなくならないまま、後ろめたいものや罪悪感を背負って生きることが






　



『私も、胸を張れるような自分になりたい。』









　









　







　




　

　









視点。灰羽




『どうしようもなく、自分が情けないんだ。』






って、消えそうな声。




初めて、深井が泣いているところをみた。


顔が大きく歪んで、目からはたくさんの大粒の涙が出ている





どうしてこんなに、泣いているのか俺にはよく分からない


苦しそうに息を詰め、しゃっくりで出る声を必死に抑えようしていた。





いつもの涼しげな態度とは、全然違う







『周りの人達を傷つけて、…自分だけ逃げ回り続けてる自分が嫌いだ。』




『っ、昔も、今の自分も好きになんてなれない。消えちまえ。』







拒絶する言葉。

首を左右に弱々しく振り、悲痛な声を絞り出す
自分を呪う言葉は、見えない何かで自身の首を絞めていた。




ごめん、ごめん。

何度も心の中で謝った。









　









　


　









　









　
　









　









　





　









　









　









　









おれ、どうすればいいかわかんないよ。

にじゅうよん→←にじゅうに

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す