ほんとうは。【音駒】

にじゅう ページ20

「夜久さーーーーん、俺はスパイクが打ちた「お前はまずレシーブができるようになってからだ！！」うぇええぇえーーー…」







コートへ向かおうとする灰羽の言葉をさえぎり、叱る夜久先輩


少しづつ進化するバレー部




烏野との練習試合を終えて、時間がたっていることを覗けば


いつもの日常







同じ時を繰り返している様に感じる



何度似たような、光景を見ただろう？








よくある錯覚



なんだっけ、こういう現象のことを







何度も見たことのあるこの光景



それが普通で、当たり前









でも、私はそんなもの望んじゃいないんだ


変わりたい、同じことを繰り返すなんてつまらない。






逃げたいんだ、現実から。









母を、家庭も




暖かい居場所を






壊してしまった、その罪悪感に縛られたくない。







繰り返すことに、感じる鋭い痛み



私の思考を縛り、心臓を絞め付けてくる







耐えられない






息を吸うたびに、体内に潜り込んでくる虚しさと罪悪感



腹に溜まっていく黒いものは






トイレに駆け込み胃液を吐き出してみても、出てこなくて


喉が悲鳴をあげるまで咳き込んだ。








自然と溢れ出てくる涙




自分の意志で泣いているのか、生理現象なのか解らなかった

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