第四話 謎な存在 ページ4
「もう暗いし、家に帰ったら?」
「…。」
・
僕がそういうと彼女はつまらなそうに目を伏せる。
「私ここから出られないの」
「え?」
どういうことかと首をかしげると、彼女は立ち上がり鳥居の前まで進む。
そして僕が近くまで来たのを確認すると、鳥居の外に腕を伸ばした。
・
・
「消えた…!?」
鳥居より外に伸びているはずの腕はちょうどそこで消えていた。
驚きを隠せないまま彼女の方を向くと、少し寂しそうに微笑んでいた。
「分かった?」
「人間じゃない…?」
「正解」
・
その言葉を聞いて、納得する。
それなら彼女の人間離れした綺麗さも頷けてしまう。
じゃあ、彼女はいったい何者なんだろうか
・
神か、神社だし。
それとも妖怪?
幽霊っていうこともあり得る?
頭の中でそんなことを巡らせていると
くす、という笑い声が聞こえた。
・
「私はね、強いて言うなら神の使いかな〜」
僕の心を読んだかのようにそう言う。
「神の使い…?」
「うん。神様ではないけど
死んだ人からすれば神様みたいなものかも」
・
ちょっとまだ混乱している。
その頭を必死に回して状況整理。
してみようと試みたけど、整理どころかますます混乱した。
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作者名:竹の子 x他1人 | 作成日時:2018年7月1日 0時