転生して中也さんの猫になったと思ったら一瞬だった【文スト】 (ページ23)

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カジノページ23

Aside

無機質なPCのタイピングの音が部屋に反響する
Aはブルーライトに目を刺される感覚をもう何時間も感じていた

『…！居た』

Aはヨコハマの港付近の違法カジノの監視カメラにハッキングして目的の男を見つけると身を乗り出して画面を覗き込む

ついでにそれを録画して携帯端末に送ることも忘れない

監視カメラに映っている男はまさに今追い詰められていた

『待っててね〜助けに行くから、今そこであんたがいなくなっちゃ困るんだよ』

Aは深紅ドレスに着替え黒いコートを羽織ると男の元へと急いだ

男side

目の前で、さも自分は関係ないみたいにトランプを手で弄ぶ1つテーブルの先に居るディーラーに酷く腹が立つ

助けろよ

「おいおい、あんた今袖になんか隠さなかったかぁ？」

横から歯を見せてニタニタと笑う腹から零れた肉がベルトに乗っかっているだらしの無い男が俺のカードをもつ左手を指さした

「隠してなんかない！そもそもお前らみたいなだらしの無い奴に対してイカサマなんぞしてられるか！俺はもっと高貴な…」

「あぁ？俺は確かに今見たんだよ、お前が袖にカードを隠すのがよぉ？高貴なのは俺だ、青二歳が調子こくんじゃねぇぞ」

人の襟元をグイグイ引っ張りながらがんを飛ばしてくるお前の何処が高貴なんだよ

「ま、まぁ落ち着いて、ほら今袖を見せますから俺の無実を確かめてくださいよ」

「やってみろよ、どうせボロだして終わりだろうがなw」

男とディーラーが確認しようと袖を覗き込もうとした時だった

「異能力

生け捕り＿」

動こうとしたディーラーと男は前のめりにだらんと倒れる
先程まで生きていた人間が一瞬で死んだようになる、しかし死んだわけではない

他のテーブルでも同じように人が倒れているし一時的に監視カメラの動きをバグらせてあるから誰にも気づかれない

騒がしかった雰囲気が一気に機械だけの音になる

その隙にカードを袖から取り出して山札の適当な所に戻し、いい方のカードを残すこれで俺の勝ち、相手の手札は俺より下勝てるはずもない

「解除っと、」

一気にカジノの五月蝿さが戻ると再び男たちは袖を覗く、袖をまくってやると男が目を見開く

「おっおい！どんなイカサマを使ったんだよ！よく見せろ！」

ヒラヒラと腕を上げるてもなお掴みかかって来る男を静止したのは今まで何も言わなかったディーラーだった

「お客様、ハイかローかお選び下さい」

「…ハイだ｣

どうやら勝てると思ったらしい、馬鹿だ