夕方 ページ12
?side
『だっ太宰さん』
太宰「なんだい?」
『何処まで行くんですか?家と反対方向ですよ?』
太宰「ふふっ見せたいものがあるのだよ」
暫く太宰さんに連れられて淡々と街を歩いていた
『見せたいもの?』
太宰さんは横目で私の方を見ると着いてからのお楽しみっと笑った
すると今までしていた潮風が少し強く吹く
太宰「此処さ」
『別に何も…』
其処には海を琥珀色に照らし空を彩る夕陽が広がっていて、私達のいる場所からの見晴らしが良く潮風が心地よかった、思わず柵に駆け寄った
『綺麗…』
偽りのない言葉が口から零れる
太宰「綺麗だろう、君が気に入ると思ったのさ」
後ろからゆっくりと太宰さんが歩いてくる
『はく…』
太宰「え?」
私は太宰さんの方を振り向き呟いた
『太宰さん、私の名前、琥珀がいいです』
太宰「…!良い名前だね。今から君は琥珀を名乗ると良いよ、琥珀ちゃん」
『はい』
何とも言えない嬉しさで笑みが溢れた
時は過ぎ、夜のこと
太宰side
琥珀ちゃんか…矢張自分で決めた方がいいじゃないか、余り良く眠れず琥珀ちゃんの横で軽く酒を煽っていた
琥珀ちゃんが寝ているため電気は豆電球にしている
そう云えば琥珀ちゃんって何歳なのだろうか、未成年?いや未成年にしては落ち着いているし二十歳位か、そう考えるとこの歳でたった一人で記憶が無いままあの廃墟に居たのはあまりにも不憫な話だ
そう考えている内に何故か琥珀ちゃんを守ってあげたいような気持ちが湧いてきた
世に言う親心の様なものだろう
気が付けば静かに寝息をたてている琥珀ちゃんの頭を撫でようと手を伸ばしていた
バチンッ
頭を撫でようとしたその手は思い切り何かに振り払われた
「?!」
目の前の布団の上には琥珀ちゃんの姿は無くなっていて
途端に後ろから気配がして後ろを振り返ると其処には琥珀ちゃんが立って居た
次の瞬間琥珀ちゃんはと凍るような目と声で云い放った
『この子に触らないで』
?!
「……君はいったい」
『…』
部屋は緊迫に包まれていった
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ゆうくん(プロフ) - 病み病みスリッパさん» いえいえ (2019年6月19日 22時) (レス) id: 891a01bcc7 (このIDを非表示/違反報告)
病み病みスリッパ(プロフ) - ゆうくんさん» 大変申し訳ございません。ご指摘箇所を修正致しましたので今後この様な事が無いように最善させていただきます。ご指摘頂き有難う御座いました。 (2019年6月19日 22時) (レス) id: aa7508c81e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうくん(プロフ) - くれ給え、ですね←誤字ってましたよ (2019年6月19日 20時) (レス) id: 891a01bcc7 (このIDを非表示/違反報告)
病み病みスリッパ(プロフ) - ひにゃたこさん» 有難う御座います!此れからも頑張らせて頂きます! (2018年10月28日 11時) (レス) id: 151eaa4568 (このIDを非表示/違反報告)
ひにゃたこ - 面白かったです!更新頑張って下さい (2018年10月28日 0時) (レス) id: 3f5d227eff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:病み病みスリッパ | 作成日時:2018年8月19日 23時