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夢主side

「精霊の御目見得?」
「ええ、昔から陸に伝わる御伽噺みたいなものですよ。まぁ僕自身も最近知りました。」
「オレら陸2歳だもん」
「陸2歳w!」

大量の料理をペロリと平らげるたジェイドが口元を拭きながら話してくれた。

「魔法が生まれるよりも昔、とある村に生まれながらにして妖精の寵愛を受けた少女がおりました。」

ジェイドはゆっくりと抑揚のある声で話し出しで、聞き入ってしまう、フロイドは頬ずえをつきながら聞く、他の席のものまで思わず耳を傾けていた。ちなみに魔法が生まれるよりも昔、というのは日本で言う昔昔と同じ意味らしい。

「その少女は誰からも好かれる子供で、幼い頃から妖精の鈴の音を聞いて育ちました。
そんな少女の誕生日の夜、少女の周りに様々な色の微精霊が纏いました。少女は微精霊達が付いて来てと言っているのが分かりました。
少し迷いましたが少女は家族に内緒で小さな灯りを持って微精霊達に付いていく事にしました。勿論すぐ戻るつもりでした。
付いて言った先には見たことも無い美しい畔で、少女は思わず水際に駆け寄りました。『なんて綺麗なの』水面は優雅に漂いとても美しいと思いました。しかし微精霊達が騒がしい気がします。それも段々と大きくなる鈴の音に少女は少したじろぎました。そのときです!水面から大きな光が浮かび上がりました、そしてその光はこう言いました『こちらにおいでなさい』少女は驚いて足を滑らせて畔に落ちてしまいました。灯りだけが残った水際は鈴の音だけが満ちていました。…と言うお話です。大きな光というのはその畔の妖精、微精霊は妖精の使い魔みたいなもので、妖精はお気に入りの少女持ってこさせたんですね。」

ジェイドは話終わると小さく微笑み喋りすぎましたね、と恥ずかしそうに水を飲んだ。

「ふーんだからアザラシちゃんは小エビちゃんが連れ去られると思ったんだ。」
「えっ私大丈夫なんですか?これ連れ去られるんじゃないですか??」
「いえ、これは子供に夜は危ないから家から出てはいけないと言うことを教えるための話ですから、安心してください。」
「良かったぁー」
「まぁ微精霊には迂闊について行ってはいけませんよ」
「なるほど」
「大丈夫〜もしぃ小エビちゃんに〜何かあってもオレとジェイドで助けてあげんね〜」
「ヤッターウレシーナー 」
「全然嬉しそうじゃなくて草」
「僕もなんですね」
「当たり前じゃん連帯責任な」

ところでグリムはどこでこの話を聞いたのだろう。

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作者名:病み病みスリッパ | 作成日時:2020年6月25日 18時

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