27 ページ29
フロイドside
フロイドは遠くからAが2人の生徒を易々と片付けて見せる瞬間を目撃してしまった。
あの非力そうな子が?いつも自分に頼ってくる私暴力なんて知りません、みたいな顔をした女の子が?
「…うわ…より好きじゃ〜ん!」
普段とのギャップで好きを再確認し、ましているとさっさとその場を去っていくAの姿に気付く。
なぜそんなことが出来るのか気になり過ぎるので、本人聞く他ないとワクワクしながらAを追った。
中庭挟んで1つ向こうの廊下を並んで歩いているとAは奥の廊下を曲がる。このままでは見失ってしまうのでAを目で追いながら急いで中庭を横切る。
それがダメだったんだろうな、オレは見事に悪名高い4年のデブとぶつかってしまった。と言うか向こうからぶつかってきた。
「あ?んだてめぇ俺様にぶつかるとはいい度胸だな」
「…はぁ!?明らかにそっちだろ!邪魔!」
こんな奴相手にしていてはAを追いかけられないと、横を通り抜けようとする。しかし背を向けると直ぐにシャツの襟を捕まれ引き戻される。
「おいおい、どこ行こうってんだよ」
「んだよ、触んじゃねぇよ」
突っかからないことに油断していたデブの顔面に肘を入れる。間抜けな鼻から血が出ているのをみてざまぁねぇなと思っていると、案の定自分も油断していたため横からモロに重めのジャブを食らった、咄嗟にガードしたものの軽く横に飛び地面に叩きつけられる。
「っ、ってぇな」
「あーあ、、っふぅ、口ほどにもねぇな」
直ぐに立ち上がりデブの方を見ると鼻血を拭って、汚く笑ってやがる。
Aを追いかけてなかったら今頃潰してる、用事がなかったら今すぐ潰してる、そう自身に言い聞かせながらできるだけ早くこの場から逃れようするも、いたぶられて雑魚の様に尾ビレを巻いて逃げるのが嫌すぎて、青筋を立てながら口だけはこの場から離れようと好戦的な発言はしないが、頭は既に締め上げるつもり満々である。
どうしようかと迷っているとこちらの顔をみて鼻で笑いやがったので、締めるしかなかった。
「っねぇな…秒で締める」
「そう来なくちゃなぁ!」
要するにこいつは喧嘩をしたいだけらしい。もう締め上げると決めたので両手をバキバキと鳴らしてデブを睨みつけた。
70人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:病み病みスリッパ | 作成日時:2020年6月25日 18時