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夢主side
フロイドと恋人になってから、学校で面倒な生徒から絡まれる事がめっきり無くなった。
やはりフロイドという、いつ爆発するか分からない時限爆弾の様な存在を周りは恐ろしく思うらしく、その恋人というなら尚更避けたい存在らしい。
別に周りに公表するつもりは無かったのだが、フロイドとの距離感と言動は恋人のそれだと噂が立ち、フロイドが同級生に聞かれた時にポロッと話したらしく、図らずも学校公認のカップルとなっていた。
代償として2人はお互いの友人から煽られる。
フロイドは男子校唯一の彼女持ちになったがために、目の敵にされていて毎日ウツボの唐揚げにされそうで怯えてると冗談めいた仕草で震えて見せた。
とまぁ現実逃避は早々にして現実を見なければ身の危険が近い。
文頭にめっきり無くなったと言ったが極たまにそれでも恐れを知らない勇者か何も知らない馬鹿、いやどちらにしろ馬鹿が絡んでくるのだ。
制服の手足の裾がダボッとしていて見るからに自身と同じ1年生。寮はサバナクローと…珍しいことにポムフィオーレときた。
この前ヴィルが寮の恥だとウッズのことをわざわざ謝罪に来てくれたのだがこの生徒、また寮長の顔に泥を塗るのだろうか。無知とは末恐ろしい。
「お前さ?最近楽しそうだよなぁ、ブローの女の癖によぉ、調子乗んなよ」
「エリート揃いのこの学校にブローは必要ないんだよ、消えろ。学校の品格が疑われる」
なにやらポム寮の生徒の方が中身のあることを言っている、こちらが首謀者だろう。サバナ寮の生徒は恐らくそそのかされて参加しているだけ、可哀想なものだ。
ちなみに『ブロー』というのは魔法士の中で使われる魔力を持たない者に対する差別用語。差別用語を使っている時点で品格を疑われるのはそっちだろうに。
「ごめんなさい…私、場違いなのは分かってるわ…!だけど身寄りがなくて学園長のご好意でこの学校に置かせて貰ってるの、どうか見逃してくださる?」
鼻にかかるような胡散臭い演技だったが嘘は言っていない。涙目で訴えかけると一瞬怯んだようにみえたが、手が上がったのを見てダメだなと思い、その場から逃げた。
ように見せ掛けて身を翻し、ボディーに1発ずつ入れると簡単にその場にうずくまる。
「あら、魔法士って物理には弱いのね、覚えておくわ」
恐らく後から恨まれるので暫くはフロイドの近くにいようと思い、乱れた制服を直しながらフロイドの元へと向かった。
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作者名:病み病みスリッパ | 作成日時:2020年6月25日 18時