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夢主side
あれからフロイドは全治１ヶ月と言われていたが、2週間を残して完治してしまった。
朝起きた途端跳ね起きて私の元に飛びついてきて「治った！！！」と嬉しそうに報告してきたのは1週間前のことだ。
授業には参加できるようになったものの飛行術は見学、元々魔法が使えない為筋トレだけだったが松葉杖生活なので、いよいよ何もできない。
あと、休み時間毎にフロイドが迎えに来て死ぬほど心配して、何から何までしてくれるので不便はしていない。
弊害としては毎回やってくるフロイドに周りがビビり散らかしている。
「なぁ監督生、フロイド先輩のことどうにか出来ないのか…」
「A〜オレ様からも頼むんだゾ…」
「んーしてもらってる側だからなんとも…」
授業の自主時間にコソコソと話しかけてきては、毎回フロイドをどうにかして欲しいと懇願してくるエース達はクラスの恒例行事になりかけていた。
「てかあの事件以来ずっとじゃん、何？吊り橋効果？」
「フロイド先輩と付き合ってるってまじ？」
「俺狙ったんだけど」
「フロイド先輩を？！おま、怖いもの知らずだな…」
「ちっげぇよ！！監督生だよ！馬鹿！」
話を聞きつけた他の生徒もわらわらと集まり質問攻めにあう。先生が教室の近くに居ないと分かるやいなや盛り上がり始める、男子高校生とはそういうものなのである。
「で？どうなの？」
「どうって言われても…まだ何も……あ、」
しばらく学校を休んでいただけあって課題やらなんやらで怒涛の補習ラッシュで慌ただしい日々が続いていたので、忘れていたが告白紛いのような事、と言うかほぼ告白をし合った事を思い出し顔に熱が集まるのが分かった。
「黒だわ」
「真っ黒だな」
「くっそぉ…」
「なに落ち込んでんだよ、端からお前に勝ち目ねぇから」
「デートした？」
「手繋いだ？キスは？」
「ぶっちゃけもうした？」
何をだ。正直こういうのには慣れていない。興味を持ってくれるのは大変ありがたいが限度って物があるだろう。仕方がないので強行手段をとる。
「先輩にチクリますよ」
「やめて」
やはりフロイドが怖い1年達は直ぐに黙って机に戻った。直後、先生が戻ってきたので事なきを得た。
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作者名：病み病みスリッパ | 作成日時：2020年6月25日 18時
