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夢主side
目が覚めると保健室のベットの上で点滴を刺されていた。
横に目をやると同じく点滴を刺され、包帯まみれのフロイドが寝ている。あまりにも無防備で幼い子供のような寝顔で思わずホッとした。
そうか、あの後無事保健室に運び込まれたのか。良かった、良かった。
「ん？」
自身の横になるベットのシーツの端にずしりと沈んでいる箇所があり、首だけを起こして見るとグリムが猫のように丸くなり寝息をたてていた。
眠るグリムの表情はやけに疲れていて、心配させてしまったと1人反省をする。恐らく起きたらグリムは泣きついてくるだろうし、怒るだろう。でもそれを想像できるのがちょっと嬉しかった。
「起きたか」
「先生」
バサバサと本の落ちる音がして保健室の扉の方を見れば、丁度驚きで教科書を落としたばかりであろうクルーウェルが冷静を取り繕った様な顔で立っていた。
「体調は？どこか優れないところはあるか？」
「強いて言えば、筋肉痛が酷いですね」
「そうか…傷は、傷は痛むか？」
「いえ、お陰様で痛みは無いです。」
安心したのか、ため息をついたクルーウェルはベットの近くにパイプ椅子を引き寄せどかりと座った。話によると私は3日間目覚めなかったらしい、フロイドは持ち前の生命力で2日ちょっとで目を覚まし今はあまりに私を心配してうるさいので、安静にさせるため睡眠薬で眠らせているとのことだった。
「リーチから話は聞いた、教師でありながら生徒を危険に晒し、あまつさえ気づけなかった事を詫びる。すまなかった」
「大丈夫です、顔を上げてください、なにも責任は先生だけのものではないですから、お願いです」
「…本当にすまなかった」
クルーウェルは自分の受け持つクラスの生徒を守れなかったことに責任を感じ、私が目覚めるまでずっと生気を失ったようだったと、後にトレインから聞いた。
「…先生、話は変わりますがどうして私は3日も目覚めなかったんですか？」
「嗚呼それか、お前は魔法が使えない分魔力耐性がないだろう、魔力耐性のない人間が魔法による外傷を回復するのには体力と時間がかかる」
「なるほど、だからフロイド先輩は私より早く起きたんですね」
「いや、リーチの場合は異常だ。生命力の塊というか、普通あそこまでの怪我をしたなら1週間は起きない」
「えぇ…」
フロイドの幼い寝顔が少し恐ろしく感じた。
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作者名：病み病みスリッパ | 作成日時：2020年6月25日 18時
