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※注意
ちょっとだけ倫理観ないです
夢主side
ああ！なんて馬鹿な人！
もう魔力がそこを尽きてる筈なのに身を呈して私を庇うなんて。攻撃をモロに食らったのだからきっと大怪我に違い、心配するべきなのに、今すぐに治療するべきなのに、なのに、
好きが溢れて止まらないの。貴方から目が離せない。
「せんぱ、い」
「…？」
気付けば自然と手が伸びていてフロイドの首の後ろに手をまわす。首の付け根から血のねっとりとした感覚が手にへばりつく。もう何もかもが愛おしい。痛がる先輩も、この状況さえも。
「好き」
「ぇ？」
「キスしていいですか、」
もう思考が定まらなくて、涙は出るわ、とんでもない発言はするわ、めちゃくちゃ。ただ嫌われたなとは思った。
謝ろうとした時だった。
「、いいよ。ご褒美ちょうだい？」
フロイドは驚きながらも直ぐに嬉しそうに笑みを浮かべながらキスをねだった。
嬉しかった。
目を瞑り、どちらからともなくそっとキスをする。触れるだけのキスを何度も、ご褒美のケーキを食べるように少しずつゆっくりと。
下唇をやわやわと食まれる。ずっとこの時間が続けばいいのに。想い人とのファーストキスは甘くて、しょっぱかった。
ちょっとしてフロイドの唇が冷たくなり始めてるのに気付いてはっとする。
「ごめんなさ、先輩、直ぐに保健室に」
「ん、おねが、い」
自分よりも大きな肩を担いで地下通路を出て掠れた声で助けを呼ぶ。
「誰か、！先輩が！先輩が！」
地下通路付近ということもあって中々人が通らない。このままではフロイドが危ない、と思い必死に歩く。
「しなないで、せんぱ、おねがい、しなないで、」
返事はない。
ボロボロと零れる涙が床を濡らす。私のせいで、先輩を死なせる訳には行かない。左足からはどくどくと溢れる血が背後に1本の道をつくる。息も荒くなってきて視界が白んでくる、倒れかけたときに、ふと遠くで誰が叫んだ気がした。
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作者名：病み病みスリッパ | 作成日時：2020年6月25日 18時
