1話 ページ2
と或る探偵社
ガチャッ
扉が開かれる
敦、鏡「おはようございます。」
綾乃「あ、おはよ。」
眠そうな顔で(憂鬱そうにも見えるが)反応する綾乃。
敦「あ、あの...太宰さんは...」
国「彼奴のことだ。どうせ川に入水でもしに行っているのだろう。」
太宰の苦労人こと国木田独歩だ。
最近胃痛薬を箱買いしたらしい
綾乃「あー、正解です。いちいち引っ張って来るのも面倒だったんで。其れで一緒にこないだ育てた鮭の稚魚を放流して来ました。」
どうでも良さそうな感じで綾乃は答える
国「待て待て待て、其れでの処から色々と可笑しいぞ。」
青ざめた顔で国木田がいう
綾乃「鮭は放流為てもいつか卵を産むために帰ってくる。それにちなんで太宰さんが仕事をしに帰ってくる。そんな願いを込めて来ました。多分為ないけど」
遠い目をして明後日の方向を向く綾乃に
国「お前...苦労してるな」
国木田が顔を押さえて項垂れる
綾乃「国木田さんには負けません。」
敦「だんだん悲しい雰囲気になってきてるのでやめましょ!」
敦はそんな空気を読み取ったのだろう
敦の顔にも堂々とお疲れ様という文字が書かれている
鏡「綾乃、今度ケーキ食べに行こ。」
そんな敦をフォローするのも最近鏡花の役目になってきている。
綾乃「有難う鏡花ちゃん。」
鏡花は綾乃の顔を覗き込むと綾乃の顔には多分一生消えないであろう隈が刻み込まれていた。
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作者名:病み病みスリッパ シーラカンス | 作成日時:2019年3月7日 19時